実際問題、育児との両立はできる?ママライターの現実

実際問題、育児との両立はできる?ママライターの現実

「子どもとの時間を大事にしたい」、「預けずにできるだけ自分で面倒をみたい」、「仕事との両立は大変……」。そう考えて、妊娠・出産を機に仕事を辞める女性は多いものです。

でも、心のどこかで「やっぱり仕事をしたい」という思いを抱いているママもいるでしょう。育児をしながら自宅で仕事ができたら理想的、と考える人も多いはず。

最近は、「ママライター募集!」なんて広告もよく目にしますね。ライターならパソコンさえあれば在宅での仕事が可能ですが、実際に子育てと仕事を両立させることは可能なのでしょうか?

育児の合間にちゃちゃっと……。そう上手くはいきません

我が家には、幼稚園児と未就園児がいます。以前は第1子を保育園に預けて会社員として働いていたのですが、第2子出産前に退職。しばらくは専業主婦生活を送っていました。
でも、下の子が1歳を過ぎたころ、「やっぱりまた仕事をしたい」と思うように。再び働きに出るという選択肢はまだ考えられなかったため、フリーランスの道を歩み出したというわけです。

子どもが幼稚園や保育園、学校に通っていて自分だけになれる時間帯があるなら、仕事の量を調節すれば両立は十分に可能だと思います。

しかし、未就園児がいる場合はなかなか難しいものです。

“子育ての合間にスマートに仕事”なんて、やっぱりそう上手くはいかない現実があります。子どもが昼寝中に仕事をしようと思っても、そんなときに限って昼寝をしない! ならば早朝や深夜にやろう、と思っても、ママが隣にいないことを子どもは敏感に察知するんですよね。しょっちゅう起きてきます。寝付くまでの間だけ添い寝しようと思っていたのに、気づいたら朝になっていた、なんてことも数知れず……(笑)。

想定外の事態も起こりまくります。たとえば、子どもの急病。やっと1人治ったと思ったらきょうだいにうつる。そして看病疲れしたママにもうつる、というのもありがちですよね。おまけに、ママがダウンしているころ、子どもはすっかり元気になっているので「遊んで! 遊んで!」と騒ぎまくるという地獄……。

そんなこんなで、筆者の場合は睡眠時間が確保できなくなったので、今は週に1~2回、認可保育園の一時保育に下の子を預けています。それでも、寝不足続きということもありますし、素敵な両立生活とは程遠いです。

希望する収入額にもよりますが、ある程度まとまった収入を得ようと思うなら、子育ての合間に仕事をするというのは難しいと思ったほうがいいかもしれません。

でも、“自由度が高い”というメリットは大きい!

じゃあ、大変なばかりでメリットがないかと言うと、そんなことはありません! 我が家の場合、会社員時代は上の子の保育園のイベントに参加してあげられないこともありました。子どもが病気になって入院しているときに、そばについていてあげられず、悲しい思いをさせてしまった経験も。

その点、フリーライターは、〆切さえ守ればいつ仕事をしてもOK。夜中だって土日だって構いません。取材のない仕事だけを選べば完全在宅も可能です。会社員に比べると、やっぱりその自由度の高さは魅力的だといえるでしょう。子どもが病気になればすぐに病院に連れて行けますし、幼稚園の集まりにも行事にもフルで参加できます。習い事も自由に通わせられますよね。

子どもが熱を出しても、〆切に遅れるのはNG!

こういった自由度の高さに魅力を感じ、文章を書くことや人に伝えること、学ぶことが好きなら、ライターの仕事はオススメです! でも、仕事を始める前にぜひ知っておいてほしいのが、“自分でスケジュール管理できるスキル”が求められるということ。

「え、当たり前じゃん?」と思うかもしれませんが、意外と出来ない人が多いのです。子育てしながらの仕事は不測の事態がしょっちゅう起こるので、計画はどんどん狂っていきます。
でも、誰も「もうすぐ〆切だけど、大丈夫?」なんて心配してくれませんし、出来なかった分をフォローしてくれるわけでもありません。何があろうと、受けた仕事は最後まで自分で確実にこなさなくてはいけないのです。

〆切に遅れて「子どもが熱を出したので……」と言い訳してしまう人は、なかなかうまくいかないかもしれません。仕事を受けた以上は、そういった事態が発生することも見越したうえで進行すべき。

優しいクライアント様なら、「それなら仕方ないですね」と言ってくれるかもしれませんが、心のなかでは、「今後もこういうことがあるのかな……」と不安に思うはずです。自分自身が「ママだからきちんと出来なくても仕方ない」という考えを捨てないと、ずっと“それなりの仕事”しかいただけないと思っていていいでしょう。

仕事の量は、“少なめかな?”くらいが丁度いい

仕事をすると決めたなら、ママでもママじゃなくても関係ありません。〆切に遅れることがないよう、余裕をもったスケジュールを立てることが大切です。

会社員時代はバリバリ仕事していた、という人も、育児をしながら仕事するなら、かなり慎重に仕事量を調整したほうがいいと思います。特にはじめは「少なすぎるかな?」というくらいがちょうどいいです。受けられるかどうかの判断を慎重にしないと、「今日も眠れない~!」なんて事態になりかねませんよ!(筆者は経験があります……)

フリーライターの仕事は、ライターや編集の経験がある人はもちろん、さまざまな専門分野の知識がある人にとって、これまでの経験を活かせる可能性を秘めています。やる気があるなら、仕事量を調整しつつ、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?

 

著者プロフィール

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藤澤佳子
リクルート『SUUMO新築マンション』編集部を経て、現在はフリーランスのライター・エディター。過去の経験と保育士、ファイナンシャルプランナーの資格を活かし、主に住宅・金融・教育関係の執筆&編集活動を行う。私生活では2児の母。趣味は断捨離とコントラバス演奏。

 

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