
TECHNIQUE
もう迷わない!読者を引き込むリード文の書き方
ライティングをしていると必ず直面するのが、「リード文をどう書こうか」という問題です。リード文は読者に本文を最後まで読んでもらえるかどうか、文章の「肝」となる重要な部分です。とくにライター初心者であれば、リード文に何を書けばいいか迷う方も多いでしょう。
この記事ではリード文を書く基本的なテクニックやコツをご紹介します。皆さんのリード文に迷う時間が1分でも短縮されることに役立てれば幸いです。
そもそもリード文が重要な理由
せっかく努力して書き上げた記事は、最後まで読んでもらいたいですよね? しかし読者も忙しい身です。リード文がつまらなかったりわかりにくかったりすれば、読者はすぐに離脱してしまいます。皆さんもネット検索してタイトルをクリック後、5〜6行を読んで物足りないと感じ、「前に戻る」ボタンをクリックした覚えがないでしょうか。本にしろネット記事にしろ、最初の3行ほどを読んで「最後まで読み進めるか」「買うに値する本か」を判断する人も少なくないでしょう。
現代は情報化社会です。読者は巷に溢れる大量の情報にうんざりしており、情報の取捨選択に神経質になっています。とくに紙媒体の本と比べてWeb媒体のネット記事ではその傾向が顕著です。
つまり記事を最後まで読んでもらえるかは、リード文の「出来」にかかっているといえるでしょう。
書き方の基本
リード文の重要さがわかったら、基本テクニックを身につけましょう。
本文の要点を端的に伝える
まず、リード文は本文を要約した内容にするのが基本の書き方です。リード文だけを読んでも内容が理解できるよう、工夫する必要があります。本文を「ギュッ」と凝縮した内容といえば想像がつくでしょうか。
「何を書けばいいか全くわからない」という方は、その記事で何を伝えたいのかという目的、結果を書いてみてください。もし伝えたいことが複数ある場合は、自分が記事で最も伝えたいこと1つに絞りましょう。
また、タイトルとリンクさせた内容にすることも大切です。タイトルとリード文の内容がちぐはぐだと、読者の頭が混乱してしまい、離脱に繋がってしまいます。
読者を引き込むコツ
基本をおさえたら、プラスアルファのテクニックを身につけましょう。ここでは、読者を記事に引き込むコツを紹介します。
本文を読むメリットをチラ見せ
本文で表す結果やメリットを全て書くのではなく、チラリと少しだけ見せることは、読者を引き込むために有効なテクニックの1つです。
ファッションで「チラ見せ」という言葉があるように、人間はちらっと見せられると「もっと見たい!」と思いがちです。隠れた先がどうなっているか気になるのです。少し卑怯な手と思うかもしれませんが、しっかりした内容の本文を書いていれば、チラ見せは恥ずべき行為ではありません。
ミステリー小説は徐々に謎が明らかになる構成になっているので、読むと参考になりますよ。
また、読めばどのような利益がもたらされるのか、メリットを見せることで「価値ある記事」だと思ってもらえるという側面もあります。
「わかる!」の共感を生み出す
「そうそう!」「自分に当てはまる」と読者が共感するリード文にするのも、効果的な方法です。人間は自分と共通点を持つ相手に親近感を持ちます。また、「自分の悩みや気持ちをわかってくれている!」と思うと、仲間を見つけたようで嬉しくなるものです。
共感を生み出す文章を書くためには、事前に読者の属性(性別・年齢・家族構成・趣味嗜好など)を想定しておくことが大事です。いわゆる「ターゲット層」と呼ばれるものです。想定したターゲット層になったつもりで、文章を考えてみましょう。
具体的には、「◯◯と思ったことはないでしょうか?」「✕✕でお困りの方」のように書き出す、悩みの事柄を箇条書きにする、といった方法があります。
疑問文で意外性を出して引き込む
意外な事実を知らせる、「実は◯◯は✕✕と知っていましたか?」のような疑問文で始めるのもおすすめです。
今まで知らなかったことや常識を覆されることが書いてあると、読者は驚いたり不安に感じたりするでしょう。好奇心や焦る気持ちが刺激され、文章を読み進めてくれるわけです。
噂話と同じ仕組みです。「おもしろいニュースがありますよ」と皆にお知らせする気持ちで、書いてみるといいでしょう。
リード文のコツをおさえて最後まで読まれる文章を執筆しよう
文章に「正解」はありません。読者を惹きつけることさえできれば、リード文の書き方は自由です。リード文の世界は奥深く、今回紹介したテクニック以外にも、方法は無限にあるでしょう。
基本のコツを掴めば、リード文を書くハードルが低くなるはずです。自分なりの方法に応用できるようにもなるでしょう。今回の記事を読んで活用できそうな方法があれば、ぜひ試してみてください。
丹精を込めて書いた本文が無駄にならないよう、リード文には大きな力を注ぎましょう。
著者プロフィール

- 川久保葵
- 兵庫県在住。フリーランスのライター。求人広告、社内報、Webマガジンなどの制作に携わり、インタビューや執筆を担当。世の中に対する「なぜ?」をこねくりまわして考えることがライフワーク。好きな色は青色。
