医療資格がなくてもできる質の高い医療記事執筆のコツ

医療資格がなくてもできる質の高い医療記事執筆のコツ

薬機法管理者などの医療資格がなくても、医療記事執筆のご依頼をいただくことがあります。
このような場合、質の高い記事を作成して読者の役に立つには、あるいは編集担当やクライアントからの信頼を得て継続依頼につなげるにはどうしたらよいのでしょうか。

今回は、医療資格を持たない私が医療記事執筆で意識していたことを紹介します。

 

医療資格のないライターが医療記事執筆で最低限すべきこと

まずは、医療資格を持たないライターとして医療記事執筆に携わる際、最低限すべきだと考えている2点についてお話しします。

  • 医師や専門家の監修はあるか確認
  • 信頼できるエビデンスを提示

上記2点は、ライターとして責任ある仕事をするため、そしてライターとしての信頼を得るために重要です。詳しく見ていきましょう。

医師や専門家の監修はあるか確認

医療資格を持たないライターとして医療記事の案件を受ける際には、念のため必ず医師や専門家の監修があるかを確認します。
不確かな情報の発信により読者に不利益をもたらすことを避けるためです。

医療資格がないとはいえ、ライターとして医療記事作成に携わるのであればその記事の影響力に責任を持たなければなりません。そのためにできることが、「監修体制の整ったメディアでしか執筆しない」ということだと考えています。
また、そもそも医療分野というYMYL(将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に影響を与える可能性のあるページ、トピック)が重視される領域において、医師や専門家の監修を入れない運営元は情報発信に対する責任感・リスク管理の点で不安があります。

公開した記事が何らかのトラブルのもとになったり、報酬支払いなどほかの面で問題が生じたりするかもしれません。そのため、依頼を受けた際には必ず医療資格を持っていないことを伝え、専門家の監修があるか確認します。

信頼できるエビデンスを提示

医療記事執筆では、国や大学病院など信頼のおけるエビデンスを参照し、原稿にはどのサイトのどの部分を参照したのか、該当部分の見出しや文章まで添えてコメントに残します。

この目的は以下の2点です。

  • 医師や専門家ではない人が編集者だった場合でも、エビデンスチェックがスムーズに進むようにするため
  • 修正を減らし、ライターとしての信頼を高めるため

最終的に医師や専門家の監修を受ける場合でも、編集担当まで医師や専門家、あるいはそれに準ずる知識や資格を持っているとは限りません。
その場合、医療資格を持たないライターが書いた記事のエビデンスチェックは大変なため、少しでも負担を減らすために、エビデンスは細かく提示するようにします。
また、信頼性の低いエビデンスをもとに執筆して修正が大量に発生したら、ライターとしての質が問われかねません。医療資格や専門知識を持っていなくても、信頼できるエビデンスの選別はプロのライターとして徹底すべきです。

専門外の分野でライターとしての信頼を得るためにも、この点は非常に重要でしょう。

医療資格なしでもできる医療記事執筆のコツはペルソナの徹底

医療資格を持たない場合、専門知識については有資格ライターにはかなわないでしょう。しかし、医療記事の質を左右するのは専門知識の有無だけではありません。
読者にとって価値ある医療記事を執筆するにはペルソナを徹底することが重要であり、それは医療資格がなくてもできることです。

あらかじめ構成が決められている記事であっても、ペルソナに合わせて書き方や解説の切り口を工夫することはできます。医療記事執筆で意識すべきペルソナ設定のポイントを2点お伝えします。

ペルソナの身体のしんどさは?

まずは「ペルソナの体調がどの程度のものか」を考えます。

例えば何をするにもつらくてしんどい状態で自身の傷病について調べている人がペルソナであれば、頭を働かせなくても楽に理解できるような記事にするべきです。早く・視覚的に要点がつかめるよう箇条書きを活用したり、各章の最後に簡単なまとめを入れたりすると親切でしょう。

一方、身体的な辛さはさほどなく、自分の傷病について詳しく知りたいペルソナなら、流し読みでも要点を簡単につかめるような記事ではなく、読み応えのある記事を書いたほうがよいと考えられます。

もちろんSEOの観点から書き方に制限が生じることもあります。そこはバランスを見ながらではありますが、基本的にこのようなことを意識すると読者に役立つ記事となるでしょう。

ペルソナはもう病院へ行った?

ペルソナがすでに病院へ行ったあとなのかも、重要なポイントです。
病院に行く前に検索しているのであれば、自身の症状がどのような傷病に該当するのか、病院へ行くべきなのかといった観点からの執筆が必要です。

「こんな症状があったら〇〇(傷病)の可能性あり」「〇〇(傷病)ではこんな症状もある」といった角度からのアプローチが有益でしょう。
一方、すでに病院で診断を受けたあとのペルソナであれば、「医師の説明がよく分からなかった」「今後どうなっていくのだろう」といった気持ちから自身の傷病について調べていることが多いでしょう。

専門的な内容を丁寧にわかりやすく説明したり、治療期間や後遺症残存の可能性などについて解説したりすることが求められると考えられます。

医療資格がなくても価値ある医療記事執筆はできる

ライターの仕事は、単に正しい内容を記事にまとめるだけではありません。読者に必要な情報をどのような形で届けるべきか考え、形にすることも重要です。
医療資格がないこと、専門知識がないことは自身のリサーチ力でカバーしつつ、ペルソナ設定を徹底すれば医療資格がなくても価値ある医療記事は執筆できます。
ライターとして自分にできることを多角的に洗い出し、それらを総動員して質の高い記事執筆を目指していきましょう。

 

著者プロフィール

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ついち珠子
転職エージェントでキャリアアドバイザーと法人営業を経験したのち、転職して法律メディアのSEOライターに。2020年7月にフリーランスとなって以降は、就活・転職メディア、不動産メディア、Webマーケティングメディア、フリーランス向けメディア、医療系メディアなどを担当。FP2級、ビール検定2級取得済み。
詳細:https://note.com/tamtui_07

 

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