思わずクリックしたくなるBtoB記事タイトルの作成方法~簡単にできる5つのステップを紹介~

思わずクリックしたくなるBtoB記事タイトルの作成方法~簡単にできる5つのステップを紹介~

ライターの皆さまはBtoB記事のタイトルの作成で苦労されたことはありませんでしょうか?
BtoBは単にモノを個人に対して売ればよいのではなく、会社等組織の中で複雑な購買等の意思決定をされている方々へのアピールが必要となるため、BtoCとは別の視点が求められます。
今回は、そのようなBtoB記事でのタイトルの作り方のコツをご紹介します。

BtoB向け企業コラムとは

BtoB企業の場合は、ホームページや顧客ポータルだけでは自社が提供している商品やサービスの価値を充分に伝えきれない場合が多いといえます。

これを補うために、規制等を含む業界を取り巻く環境や当該企業が扱う製品やテクノロジー等に関して、識者の知見、ベストプラクティス、ノウハウ等に関する耳寄りな話題をブログセッション等で提供することもあるのですが、このような比較的、型にはまらない記事を企業コラムと呼びます。

企業コラムの戦略的な活用方法としては、サーチエンジンからコラム記事を経由して、顧客ポータル等への読者の流入を狙っているケースも少なからず見受けられます。潜在顧客や見込み顧客向けに業界の最新動向をコラムで解説しながら、そのページの上部や横側にCTA(Call To Action)と呼ばれるリンクボタンが設置されていて、そこから新製品に関わる資料請求ができるようなサイトをご覧になったことも多いでしょう。既存顧客に対しては、業界動向に関する予測や高度な専門技術に関する知見をアピールしつつ、ホワイトペーパー、ベストプラクティス、製品マニュアル等へのリンクを提供している記事もあります。

このような仕組みにより、顧客満足度を高め、取引の継続をはかったり、さらに新製品情報のページにリンクさせることにより、クロスセルやアップセル等さらなる受注を確保したりもしています。
また企業広報的な位置づけになりますが、女性技術者の活躍ぶりを取り上げ、企業のイメージの向上やブランディングを狙っているようなコラムも見受けられます。

 

BtoBでの読者層の特徴

BtoB記事の読者層は多岐にわたりますが、もちろん新規顧客の獲得というBtoCに近い側面もあります。
ところが顧客と一口に言っても、潜在顧客、見込み顧客、新規顧客、既存顧客というステージによって求める情報や企業側が伝えたいメッセージは異なります。

たとえば潜在顧客に対しては当該商品の必要性、見込み顧客に対しては競合他社製品に対する優位性や注文方法、既存顧客に対してはサポート情報を提供して、顧客を獲得したり、長期的な信頼関係を築いたりすることが考えられます。

また顧客企業内でも重大な意思決定で参考となりそうなトレンドに関する情報やインサイト(洞察)を求める経営層、ベストプラクティスを求める管理者層、製品の使い方に関するマニュアルを求めるユーザー層、製品のスペックを求める購買部門等があり、立場により求める情報がさまざまですし、複雑な意思決定プロセスを辿ることも多いため、段階ごとに適切な情報やメッセージを届ける必要があります。

 

BtoB 記事タイトル作成のための5つのステップ!

1.    まずBtoBコラムならではの読者層を意識してみましょう

BtoBコラムは、さまざまな経緯や目的を持って掲載されるため、まずは記事がクライアント企業のどの層に読まれる可能性があるのかを検討する必要があります。
顧客でも、潜在顧客なのか、見込み顧客なのか、既存顧客なのか、また記事の読者は受注の意思決定に影響を与えるキーパーソンなのか?

まずは中心となる読者層を的確に把握することが何よりも先決です。

 

2.    タイトルの前半には、読み手の興味、課題等を想起させるキーワードや表現を!

タイトルの作成では、すぐに目に入るところ、すなわちタイトルの冒頭で、読み手の興味を惹きつけることが重要です。

ここでは、読者を想定して、興味、課題などで共感を誘うようなキーワードを選びましょう。
例えば、興味に関しては、最近ではChatGPT等のような話題性があるキーワードもありますし、情報漏洩等セキュリティ上の脅威やそこから派生して生じる問題や課題等があります。これらのキーワードをできるだけインパクトのある表現で取り上げることが重要です。

 

3.    後半は解説、対応策、未来予想等「記事の内容を表すキーワード」で締めくくる

次に後半の部分は、前半の表現から読者が抱いた興味、課題等に関係する当該記事への期待等に応える形で、記事で述べられていること、すなわち解説、対応策、提案、提言等の内容を端的に表す言葉で締めくくりましょう。本記事タイトルでは、「5つのステップ」がこれにあたります。

 

4.    Google等サーチエンジン(SEOや検索結果表示画面)を意識して表現や文字数を整える

Googleを代表とするサーチエンジンへの対応について、コンテンツマーケティングを重視するWeb上の記事では執筆依頼の時点で考慮されていることが多いですが、こちらでも最終チェックをしましょう。

まずSEOを意識しないと検索結果の上位に表示されませんので、タイトルにはSEOに適したキーワードを入れる等の配慮が必要になります。また、キーワードのどのような側面を話題にするのかといったことも大切です。現状なのか、脅威なのか、活用方法なのか、それとも成功事例なのかといったことを示す言葉を加える方が望ましい場合もあります。

次に文字数についてですが、検索結果画面で表示されるのは日本語では30字程度ですので、可能であればタイトルの全文を30字以内に収めるようにしましょう。
サイト内を回遊して記事を閲覧したユーザーは説明抜きでもクリックするかもしれませんが、サーチエンジン経由のユーザーの場合は、このタイトルでの表現だけから先を読み進めるかを判断しなければなりません。

また、BtoBでは、記事内容が自分自身の仕事に「関係ありそう」というレベルではなく、「直結する」ということまで求められるかと思いますので、タイトルは短ければいいというわけでもありません。
タイトルが長くなってしまった場合は、前半の読み手の興味を引く部分を30字程度におさめ、後半の内容を表す部分はクリックしてから読んでいただくというタイトルの作り方もあります。

 

5.    さらにクリック数をアップさせる工夫を!

最後にタイトルの表現が平坦ですと、肝心な部分が目立たなくなり、読みにくくなってしまいますので、高度な専門性やビジネスバリュー等を感じさせるキーワードや数字を活用したり、漢字・ひらがな・カタカナ等のバランスをはかったり、「 」や!を活用したりして、読者の負担を軽減しつつ、肝心となる記事のエッセンスについては、一眼で注目を集められるような工夫も凝らしてみましょう。

 

記事の内容や読者層によっては言葉選びにも配慮する

BtoBコラム単にモノを売るための媒体ではありません。

BtoB記事には、もちろん潜在顧客から受注をいただくためのPR手段という側面もありますが、業界動向や製品・サービスに関する企業の知見や洞察を示し、既存顧客の信頼度や満足度を高めることにより、取引の継続を促すことも担っています。
さらにより幅広い読者層に向けて世の中での認知度や企業イメージを高めるブランディングの役割を果たすこともありますので、記事の内容次第では気品や深みのある言葉選びが大切になります。

 

BtoB向けタイトルは手順を踏んでこそ顧客へのアピールが可能!

いかがでしたでしょうか?

BtoB向け記事の場合は、顧客や読み手がさまざまな立場や段階にあるため、タイトルの作成もまずターゲットとすべき読者層を明確にし、どのようにして彼らの心をつかんでいくかについても順を追って進めていかなければ、せっかくのメッセージが届かないこともあるかもしれません。

ぜひ本記事で紹介した5つのステップをご参照いただき、執筆された記事に盛り込まれた深い洞察、卓抜な知見、有益な情報等を、心の底から望む顧客や読者に届けられますよう、タイトルの作成にお役立ていただければ幸いです。

 

著者プロフィール

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矢浪 多計二
BtoB向けITサービス企業で、AI・電子マネー等の新たなテクノロジーの潮流や様々な産業分野での情報システムの需要の調査、社内サイト(ブログ)でのトレンド解説等を経験。その後、Webライターとして、IT、経済、音楽教育、食生活等に関わる記事を執筆してきました。
趣味はクラシックを中心とした音楽鑑賞(作曲や編曲も少々)、将棋(どちらかというと「観る将」)、料理(ものぐさながら本格派も目指す)等。

 

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