原稿の制作スピードと質をアップしたいあなたに。コツは「ライターと編集者を一人二役」!

原稿の制作スピードと質をアップしたいあなたに。コツは「ライターと編集者を一人二役」!

原稿を書く際、こんな悩みはありませんか?

  • 質を気にして時間ばかりかかる
  • スピードアップしようとすると質が落ちる

私も多々ありました。しかしある方法を見つけてから、制作スピードと質を両立できるようになってきたのです。それは「ライターと編集者を一人二役でこなす」こと。

「ライターになりたてでどうすればいいか分からない」「スピードと質を保つ方法を探したい」そんなあなたにお伝えしたい方法です。

「ライター」だけの目線ではうまくいかない場合も

まずお話ししたいのは、「ライター」の目線だけではうまくいかない場合も多いということ。

推敲や校正ができていない、恥ずかしい過去の話

私は過去、執筆後に校正や推敲をしたにもかかわらず見落としてしまうことが多々ありました。恥ずかしいことに、執筆だけで手一杯になる、原稿の確認を「したつもり」になる……そんなことがあったのですね。

何より大きかったのは、「頭を切り替えないまま推敲や校正をしていた」こと。つまり自ら、「見たつもりで見ていない」状況を生み出し、「見落とし」を増やしていたのです。

とても恥ずかしい話ですよね……。しかし多くのライターさん、中でも「ライターになりたい」「ライターになりたて」の方にこの話が役立てば嬉しいなと。そう考えてお伝えしました。

編集者にならないといけないの?

推敲や校正がスムーズになってきたのは、編集業務を任せていただくようになった後からです。そう聞くと、「じゃあ編集者にならなければいけないの?」と思う方もいることでしょう。

でも、編集者でなくてもできます。それが、「ライターの自分が書いた原稿を編集者の自分がブラッシュアップしていく方法」。つまり工程を切り分けてライターと編集者、一人二役にすることで、原稿の制作スピードと質をアップできるのです。

ライターとして原稿を執筆する際は“スピード重視”で

まずライターとして原稿を執筆するのですが、その際スピード重視を心掛けてください。

スピード重視にするメリット3つ

  1. 量をこなせるようになる
  2. 納期を守ることができる
  3. スピードと質の工程を分けるため、集中できる

雑な原稿になってはいけない

とはいえ雑な原稿になってはいけません。情報は正確か、論理構成は整っているかなど、気を付けるべき点に注意しましょう。文章校正機能があるWordを使えば、誤字脱字や変換ミスを見つけやすいですね。ジャストシステムがリリースする「ATOK」も便利です。

編集者としてブラッシュアップ①事前準備!

続いて編集者としてブラッシュアップする工程。しかし、実践前に準備が必要です。

まず、オリジナルのチェックポイントづくりから

最初は、どこをどう見ていけばよいのか分かりません。そこで、自分用のチェックポイントをつくります。チェックポイントの助けとなるのは以下2つ。

  • レギュレーション資料

レギュレーション資料は、チェックポイントのベースになる部分です。自分用に分かりやすいかたちでまとめておきましょう。ペルソナ(仮想読者)やトンマナ、方向性……いろいろなことを自分用にまとめていきます。

  • 編集者にフィードバックをもらった部分

編集者にフィードバックをもらったらよく読んで分析し、どのような点に指摘が入ったのか、それはどういうことなのか、かみ砕いてまとめます。もし、意図が分からない場合は、思い切って編集者に尋ねましょう。それは編集者とのコミュニケーションにもなります。

余談ですが、納品時に申し送りを活用するとよいですね。これにより編集者もライター側の意図を理解しやすくなるため、スレ違いが減るのです。そしてこれもコミュニケーションになります。

次は、時間の確保

次に、時間の確保です。執筆してすぐ納品せず、編集者としてブラッシュアップする時間をしっかり確保しましょう。また、これによりスケジュール管理も上達。納期ぎりぎりになることなく、余裕を持って進めていけるようになるのです。

できることなら一晩置いて次の日をブラッシュアップに当てましょう。自分では「頭を切り替えた」と思っていても、寝て記憶を一旦リセットしない限り、見ている「つもり」になりやすいです。それにより「見落とし」が増えてしまうことも。

編集者としてブラッシュアップ②実践!

それでは実践! 事前に準備したチェックポイントと時間をつかって、原稿をブラッシュアップしていきましょう。

ブラッシュアップではチェックポイントをもとに、

  • 構成内容に沿っているか
  • 論理がズレている箇所はないか
  • ペルソナ(仮想読者)に向けた内容に仕上がっているか
  • 「この内容を盛り込んで欲しい」といったクライアントさまからのリクエストを反映しているか
  • 分かりやすいか(「前提知識のない読み手」として読んだとき、疑問が出たり不明に感じたりする箇所はないか)
  • 「見出しと本文の内容が異なる」といったように不自然な仕上がりになっていないか
  • 見出し内で内容がまとまっているか(他の見出しで同じ話を登場させすぎると、内容が散らかって分かりにくくなる)
  • 特定分野、専門分野の用語にかんたんな説明を記載したり日本語で言い換えたりしているか
  • 用語や主語、表記が統一されているか(状況によってはあえて表記揺れにする場合も)
  • 同じ語尾が続いていないか(~ます、~ます、~ますなど)
  • 重複表現はないか
  • 一文の長さは適当か(一文が長いと「何についての話か」読み手は分かりにくい)
  • 文字数は適切か(規定の文字数に収まっているか)
  • 削ったほうがよい箇所はないか、コンパクトにまとめられる箇所はないか
  • 誤字脱字はないか
  • トンマナに沿っているか

などさまざまな点からチェックし、必要に応じて修正します。ブラッシュアップは、「ミスを減らしながらよりよい原稿に仕上げる」という観点をもとにして進めるとよいでしょう。それにより、自分が「ミスしやすい箇所」に気付けますし、「よりよい原稿に仕上げる」ための知識やスキルも得られます。

オススメはデュアルディスプレイ

ブラッシュアップの際、デュアルディスプレイだと便利です。原稿とチェックポイントを左右それぞれの画面に展開できるため、照らし合わせる・修正する効率が格段によくなります。

Wordのコメント機能を活用

Wordのコメント機能も活用できますよ。まず、チェックポイントをコメント部分に記載して原稿と照らし合わせます。そして、確認や修正が完了したら、コメント部分のチェックポイントに丸や星など自分で分かる印をつけていくのです。すべてに印がついたら「ブラッシュアップは完了」となりますね。

こうしてじっくりブラッシュアップすることで質を向上できますし、続けるうちにチェックポイントへの理解も進みます。執筆しながらチェックポイントについて気を付けることもできていくでしょう。

工程を切り分け、一人二役で原稿の制作スピードと質をアップ!

  • ライターとして:スピーディに原稿を仕上げる
  • 編集者として:原稿をブラッシュアップして質を向上

このように一人二役を心掛けることで、原稿の制作スピードと質をアップできます。両立は確かに難しいですが、工程を分けることでそれぞれに集中しやすくなれるのです。

「ライターになりたてでどうすればいいか分からない」「スピードと質を保つ方法はないかな」そんな方はぜひ試してみてください。書くことをより愉しんでいけますし、素敵なコンテンツ制作にも一役買うことでしょう。自分も相手も幸せになれるオススメの方法です!

 

著者プロフィール

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楽趣みくす(らくしゅ みくす)
受付嬢や占い師などを経てフリーランスのライター・編集に。メインはライフハック(潜在意識、心理、メンタル、コミュニケーション)やビジネス(HR系、チームマネジメント経験アリ)だが、ゲーム(ゲームライター経験アリ)やスピリチュアルもいける。自然や動物、ゲーム音楽などが好き。モットーは「私もあなたも幸せに」。
Twitter:@lakshmixpd ブログ:https://lakshmix.xyz

 

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