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【ライター必見】トンマナとは?企業コラム執筆でトンマナが重要なワケ
「トンマナ」という言葉をご存知ですか?トンマナは、企業コラムを執筆する上で非常に重要です。トンマナをよく理解していないと、文章の質を上げることが難しくなってしまいます。
本記事では、トンマナをよく理解するための基本的な解説から事例、またライターの皆さんが企業コラムを執筆する上で気をつけるべき3つのトンマナをご紹介します。ぜひライターとしてのレベルアップにお役立て下さい。
トンマナとは?身近な例で解説
トンマナとは、トーン&マナーを短縮した言葉です。トーンには、調子やテイスト、マナーには方法や作法などの意味があります。トンマナは、もともと広告業界で広く使われていましたが、近年では企業でのブランディングにおいても用いられています。
ライティングでのトンマナは、文章のトーンを揃えるという意味で使用されます。詳しくは後述しますが、決められた執筆ルール・もしくは一貫した文章を書くことが求められます。
事例で解説
ライティングにおけるトンマナ事例を世界のファッション・美容情報を発信している「VOGUE JAPAN(ヴォーグ ジャパン)」の記事を例に見てみましょう。
各記事内の文体は「である調」で統一され、アメリカ発であることもあり、横文字が多く使われています。サイト全体の色調も白をベースとしたシンプルな構成で、「である調」の文章とも上手く調和しています。このように、世界のファッション情報を発信しているVOGUE JAPANでは、トンマナが統一されており、サイトの世界観もまとまりを持っています。
企業コラム執筆でトンマナが重要な理由
企業コラムの執筆をする際トンマナは、ライターにとっても、企業にとっても重要なカギとなります。企業はトンマナを設定しておくことで、ライティング全体に一貫性を持たせ、世界観を統一することが可能です。
また、企業コラムの場合、企業が複数人のライターに執筆を依頼していることが多々あります。複数人のライターに依頼する際でも、トンマナがあることでそれぞれのライターに明確な指示が出しやすく、また誰が書いても一貫性のある文章となります。
具体的には、トンマナを設定することで、表記ゆれの防止や記事の品質担保へと繋がります。表記ゆれとは、同じ意味を指す言葉や単語が、文章内で統一なく表記されることを言います。表記ゆれがあると読み手は「何か違う意図があるのではないか?」と深読みしてしまったり、文章全体が雑に見えたりしてしまいます。
ライターが気をつけるべき3つのトンマナ
ここまでトンマナの機能と重要性について解説してきました。本章では、さらに具体的にライターが記事を執筆する際に気をつける「3つのトンマナ」についてご紹介します。
文体をそろえる
まず1つ目が「文体をそろえる」ことです。文体には、大きく2種類「です・ます調」と「だ・である調」があります。
「です・ます調」の文章は、比較的やわらかな雰囲気の文となります。一方「だ・である調」の文章は、断定的な印象を与える文章となるのが特徴です。
どちらの文体を使うかは企業によって異なるので、記事を書き始める前に、どちらの文体で書くべきなのかしっかりと確認しておきましょう。
表記のルール
ライターが気をつけるべき2つ目のトンマナが「表記のルール」です。表記のルールとは具体的に、以下を文章全体で統一することを指します。
- ひらがな・漢字
- 半角・全角
- 数字の統一
- 西暦・和暦
例えば「ください」という言葉を「下さい」と漢字を使って表記するのか、ひらがなで表記するのか。また、英語やカタカナ、数字を半角・全角にするのかなどが、表記ルールの具体な例です。このような表記が統一されていないと、前述したような「表記ゆれ」となり、記事の質が悪くなってしまいます。
特に企業コラムを執筆する際は、表記ルールがあらかじめ決められている場合があります。事前に表記ルールのレギュレーションがあるかどうか、確認してから執筆を進めましょう。
段落・改行
3つ目が「段落・改行」です。段落や改行もルールが決められている場合があります。例えば、1文ごとに改行が必要な場合、また2~3文ごとに改行を求められる場合もあります。
また、1文の長さが指定されている場合もあるので注意しましょう。1文が2行以上にならないようにする、など読みやすさを意識することも大切です。
特に企業側で指定がない場合は、企業のサイトを見て文章のトーンを合わせるようにするとよいでしょう。
トンマナを理解して質の高い記事を執筆しよう
トンマナとは、トーン&マナーを短縮した言葉です。トンマナは、どの記事を執筆する際にも欠かせませんが、特に企業コラムを執筆する際は、非常に重要なカギとなります。企業コラムにおいてトンマナは、文章全体を統一し、企業が持っている世界観を崩さないという役割を担っています。
そのため、コラムを執筆する際は文体をそろえる、表記ルールを統一する、改行・段落を意識するという3つのトンマナを意識することをおすすめします。これまでご紹介したトンマナをしっかりと念頭に入れて、質の高い記事の執筆を目指しましょう。
著者プロフィール
- きむら まい
- ライター・英日翻訳者として活動。BtoB向けIT分野、言語、外国人材についての執筆やコピーライティングなど幅広く手掛ける。アメリカ、ドイツ、アイルランドへの在住経験、15ヵ国への渡航経験から培った広い見聞が持ち味。