ワンランク上の記事を書きたいライター必見!インタビュー記事制作のポイント

ワンランク上の記事を書きたいライター必見!インタビュー記事制作のポイント

2023年はChatGPTに代表される生成AIが急速に広がり、仕事を奪われる脅威を感じたWebライターもいたのではないでしょうか。
そこで身に付けたいのが、生成AIには対応が難しいインタビューのスキルです。書くスキルだけでなく、聞く力やコミュニケーション力が求められるため、難しそうだと感じるかもしれません。しかし、いくつかのポイントをしっかりと押さえれば大丈夫です。

本記事ではビジネスパーソンへのインタビューをメインに活動する筆者が経験のなかでつかんだ、インタビュー記事制作のポイントをお伝えします。

事前準備で決まる!まずはここから

インタビュー記事の品質は、事前準備にどれだけ力を入れるかで決まります。以下は必ず行いたい準備です。

記事の基本前提と目的を確認する

記事を掲載するメディアの位置づけや役割といった、基本前提を理解します。そのうえで誰に対して、何を伝えたいのか。またはどのようなアクションを起こしてほしいのか。記事の目的を明確にして、構成の大枠をイメージします。

インタビュイー(インタビューの対象者)を調査する

著名な方であるほど、インターネットにはさまざまな情報が掲載されています。少し調べれば入手できる情報は、本人に聞くまでもなくインプットしておきたいところです。公式な情報源を活用して、基本プロフィールを調べましょう。

さらに過去のインタビュー記事や著書に目を通すことで、インタビュイーの考え方や感じ方の傾向をつかむことができます。

質問票を作成する

上段の基本前提と記事の目的を考慮して、情報を引き出すのに適した質問を想定します。

たとえば、未来型ロボット開発企業のインタビュー記事だと仮定します。エンジニアに向けて製品やテクノロジーの情報を提供する目的なのか、または優秀なエンジニアの採用を目的にした記事なのか。どちらもエンジニアに向けた記事ですが、目的によって質問が変わることがイメージできるのではないでしょうか。
またインタビュイーの立場や役割によっても、質問の方向性を変えたいところ。代表取締役ならば経営理念や中長期ビジョン、開発責任者ならば技術的なテーマといった、その立場だからこそ説得力が増す内容を深掘ります。

このようにして質問を考えた後、インタビュー可能時間と照らし合わせて質問数と優先順位を調整します。回答のイメージや心がまえをつくってもらうため、作成した質問票は可能ならば事前に相手へ共有します。

インタビュー開始!スムーズに進めるための3つのポイント

専業・副業に関わらず職業ライターとして、ビジネスマナーに沿った振る舞いは必須です。その上で、以下のポイントを意識してインタビューにのぞみましょう。

1.   気持ちよくあいさつし、インタビューの主旨を説明しよう

インタビューの目的を共有することで、相手も回答を絞りやすくなります。一方で、初対面同士の緊張をほぐすための雑談「アイスブレイク」は必須ではないと考えます。すぐに本題に入りたい多忙な方もいるので、状況に応じて用いるとよいのではないでしょうか。

2.   聞く姿勢に配慮しよう

真剣な表情で目を凝視すると緊張感が高まりがち。口角を上げて相手の顔の中央部分に、柔らかく視線を置くのがおすすめです。

そして大事にしたいのが、うなずく、あいづちを打つといった聞く姿勢です。試しに自分がインタビュイーになったつもりで、誰かに質問をしてもらってください。その時、無表情無反応なパターンと、穏やかな微笑みとともに「なるほど」「そうなんですね」といったあいづちを打ってもらうパターンの両方を試してみてください。関心の高さを感じられる後者の方が、圧倒的に話しやすいはずです。対話や議論が目的ではないことを念頭に置き、聞き出す役割に徹しましょう。

3.   質問は簡潔に、具体的に

事前調査をしっかりやればやるほど、つい情報を盛り込み質問が長くなりがちです。インタビューに慣れている人ばかりではないので、答えやすいように簡潔かつ具体的に質問しましょう。

いよいよ記事制作!インタビューを活かすコツ

録音した音源をすべて書き起こす「文字起こし」の作業を行います。一方で音源は確認の材料に留め、書き取ったメモと記憶をもとにして執筆を書き進めるライターもいます。

読者に適した言葉を選定して文章を整える

事前準備で想定した大枠をもとに、記事の発信力を高める構成を検討します。話し言葉のままでは読みづらい場合もあるため、読者に伝わる言葉と表現を選定しながら記事を書きましょう。

インタビュイーの言葉を活かす

一方で文章を整え過ぎてしまうことで、インタビュイーの個性や魅力を十分に表現できないこともあります。一般的には意味が通りづらい言葉でも、その人らしさにつながるならばそのまま使い、注釈づけを検討します。

具体化と抽象化の使い分けを意識する

固有名詞や具体的な数字をそのまま使うとイメージが強まりすぎて、本来のテーマから読者の注意が逸れてしまうこともあります。その場合は抽象的な表現に置き換えるのも一案です。
逆に抽象的だと理解しづらい事柄もあるので、インタビュー時になるべく具体例を聞き出しておくとよいでしょう。テーマや伝えたい内容に合わせて、具体化と抽象化の使い分けを意識します。

各工程のポイントを意識して読者に届く記事を制作しよう

読者のニーズに応えつつ、ライター自身がインタビュイーに関心を持ってアプローチすることが大切です。有益な情報を引き出して魅力的な記事にするために、事前準備、インタビュー中、執筆時のポイントを意識して進めていきましょう。

 

著者プロフィール

著者アイコン
合戸 奈央(ごうと なお)
ITサービス企業で長年勤務後、2015年夏にフリーライターとして活動開始。
企業の役員インタビューをメインに行い、会社紹介や事業事例を多数執筆しています。
思春期の息子、娘の子育て中。癒しはサウナ、推し活(LDH)、キジトラ猫

 

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