「声に出して読みたい原稿」とは? 音としてのイメージも意識しよう

企画したテーマが採用され、いざ執筆! しかし、実際に書き始めたら、なんとなくリズムが悪く、まとまりのない文章になることはありませんか? そんなときに試していただきたいのが、原稿を声に出して読んでみること。実際に声に出すことで、自分のクセや修正ポイントが発見できますよ。

子どもが声に出して絵本を読むわけ

ライター業を営む人の多くは、きっと子どものころから活字に触れる機会も多かったのではないでしょうか? いつの間にか慣れ親しんでいた「本を読む」という行為は、小さい頃からの習慣に基づいています。

例えば、文字を覚えたばかりの幼児に本を渡したとき、ほとんどの子が文字を一つずつ拾いながら、声に出して読んでくれます。これは、誰かに聞かせたいというよりも、文字の音や、文章のまとまりを自分自身で理解するために行うもの。大人でも読書に慣れていない人は、ブツブツ声に出しながら読む場合がありますね。文字というのは、もともと普段の話し言葉を視覚化するために生み出されたものです。声に出して読むことで、話の流れや全体像が理解しやすくなることを、子どもは本能的に知っています。文字は、音とリンクしてこそ、その意味が一致しやすくなるのです。

「わかりやすい文章」は、声に出しても読みやすい

文字を読むことに慣れてくると、声を出さずに「黙読」ができるようになります。しかし、理解しづらく、読みにくい文章に出会った時には、声に出して確認してしまう人も多いかもしれません。「黙読」とは、単に文字を追いかけているのではなく、脳内で音として再生し、心のなかで音読している状態。読書に慣れているかどうかの習慣の違いはあれど、どんな人でも無意識に、文章を音として追いかけているのです。

ライターとして読み手にわかりやすく伝えたい記事を作るためには、音としてもリズムが良く、声に出したときにも読みやすい文章であることを心がけたいところ。テーマの構成や論理展開がどんなに上手でも、スムーズに音読ができない場合は、読み手にとって「なんだか読みにくい」と感じる文章になっているかもしれません。文章のリズムや流れを考える時、自分の原稿を、一度声に出して読みあげてみてはいかがでしょうか?

上手に音読するためのポイント

原稿チェックの際は、目で追うだけでは気が付かなかったことも、声に出すことで違和感を感じたり、読みにくさを感じたりすることがあります。いろんな案件で編集を担当させていただきますが、読んでいて違和感のあるものは、声に出して読むと、その原因が良くわかります。区切りがわかりづらい、主語述語の乱れ、大げさな表現が多い、読みにくい漢字が多用されている……など、スムーズに読めずに止まったところが修正ポイントです。では、実際に、書いた原稿を声に出すときのポイントをお伝えしましょう。

1.初めはゆっくりはっきりと

原稿を声に出して読むとき、大きな声を出したり、大げさにリズムを付けたりする必要はありません。ですが、最初はゆっくりはっきりと朗読調で読んでみましょう。音読チェックをすることで、まず引っかかるのは、必要なキーワード以外で、同じ単語が何度も使われているとき。文末の「~です」「~ます」も、何度も続くと違和感を感じるはず。同じ単語や言い回しの多用は、くどさを与えてしまうため、調整が必要です。なお、慣れるまでは原稿は印刷し、読みながらチェックを入れるといいですね。

2.句読点でリズムを確認

音読するときに、特に意識したいのが、句読点の位置です。句読点がなく、一息で読めない長文は、読み手にとっても理解しづらい展開となります。かといって、細かく区切りすぎるのもリズムが悪くなってしまうもの。句読点は意味の切り替えだけでなく、声を出した時の息継ぎポイントと考え、適度な区切りを意識してみましょう。長すぎる文章を声に出して読むと、冒頭の印象が薄れることもわかります。どの部分で文章を区切るのか、改行を加えるのか、すっきり読めるようなリズムをチェックしたいですね。

3.原稿チェックのついでに気分転換も心がけて

集中して執筆作業をしているからこそ、自分の原稿にある誤字脱字や単語の多用に気づきにくいのも事実。思わぬところで、うっかりミスをしてしまうのは、脳が疲れているのかもしれません。

原稿を声に出して読むのは、こうした疲労感を緩和させ、リフレッシュする作用も期待できます。声に出すことは、息を吐くことにもつながり、深呼吸代わりにも役立つというわけです。執筆作業中は猫背になりやすく、胸が圧迫されることで呼吸も浅くなります。原稿チェックをかねて、たまにはゆっくり声を出してみましょう。

原稿の音読だけで、息切れを起こすような人は、かなり呼吸が浅くなっています。休み時と考えて、一旦休憩を取る目安にもなりますよ。

文章は「言葉」を視覚化したものと意識する

プロのナレーターは、原稿を書かせても、とても読みやすく作成できる人がほとんどです。文章は、あくまでも言葉を視覚化したものであり、口に出すことで記事全体が把握しやすく、リズムと抑揚が感じられます。伝わりやすい文章を書くためには、構成や展開の方法をテクニックとして学ぶだけでなく、「音」としてのイメージも役に立つかもしれません。

 

著者プロフィール

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みのうかなこ
フリーのMC・ナレーターとして15年以上、現在はWebライター・編集者も並行しながら日々研鑽中。産後に起きた身体の変化をきっかけに、栄養療法を実践。ヨガインストラクターの一面もあり、美容・健康ネタを中心に、日常で使える栄養学を紹介しています。現在は、インテリアに夢中のアラフォーママ。

 

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