書けないときは情報量が少ないことを疑ってみる

ライティングの依頼をされた場合、それが自分の得意分野のテーマであれば、文章が湧き出るように書くことができるかもしれませんね。場合によっては、語りたいことが多すぎて、指定の文字数を超えてしまった、ということもあるでしょう。

一方、得意ではない、あるいは詳しくはない分野がテーマとして与えられた場合は、調べた情報と想像力とを駆使して記事を書き上げることになります。

ところが、書き上げてみると指定された文字数をクリアできていないことがあります。まだ文字数が足りないのに、書けなくなるのですね。

そのようなときにはいくつかの理由が考えられますが、真っ先に疑ってみるべきなのは、情報が不足しているのではないかということです。

書けないときはあるもの

前述したとおり、得意分野がテーマのときは、キーボードを叩く指も軽やかに、まるで楽器でも演奏しているかのように文章を紡ぎ出せることもあるでしょう。

しかし、ライターの仕事には、あまり詳しくはない分野のテーマも書かねばならないときがあります。
そんな場合は、まずは情報収集から始めることになります。最も一般的なのは、インターネット上の情報を参照して記事を書く方法です。

この情報集めには、ある程度の慣れやセンスが必要です。難しいテーマや全く馴染みが無い未知のテーマについて情報を集める場合は、検索する際のキーワード選びの巧みさが、情報を効率的に集められるかどうかを決めることになります。

書けないのは情報不足

ところが、集めた情報を参照して記事を書いてみたら、指定された文字数に足りないことがあります。
文字数が足りない場合は、そもそもの構成に問題がある可能性があります。

たとえば、2016年3月1日に10年国債のマイナス金利が発生したことについて解説する記事を書いていた場合、実はこのテーマを説明するためには、予備知識として日銀のマイナス金利政策から説明する必要があったのに、それが欠けていたという具合です。

この場合は、日銀のマイナス金利の説明から始めれば、文字数が十分足りて解決するでしょう。

しかし、このような構成上の問題も含めて、文字数が足りないことのより根本的な原因は、情報不足にあることが多いのです。

もし、記事を書いていて文字数が足りない場合は、もっと情報を集める必要があるのではないかと疑いましょう。
既に詳しい分野であれば、集めた情報が少なくても自分の知識や経験、あるいは考えを動員することで、なんとか十分な文字数の記事を書くことができます。
しかし、あまり詳しくない分野や未知の分野をテーマとして記事を書く場合は、もともと動員できる知識や情報を持っていませんので、よそからたっぷりと情報を集めておく必要があるわけですね。
私の場合も未知の分野で記事を書く場合は、例えば1,000文字の記事を書くためでも20以上のウェブサイトを閲覧して、それらのなかから10以上のウェブサイトを選んで情報を集めるというような作業を行っています。

また、沢山のウェブサイトから情報を集めても、そのほとんどが重複した情報の場合は、からめ手から攻めた情報集めを行います。たとえばキーワードを変えてみたり、複合キーワードの組み合わせを変えてみたりするのです。あるいは、調べているうちに浮かび上がってきた新たなキーワードを使って検索してみます。

そうすることで、より多くの情報を集めることができます。

文字数の不足を、水増ししないで充実させる

しかし、いくら情報を集めても書けない場合があります。そもそもそれほど文字数を使わなくても書き切れてしまうテーマの場合は、文字数を埋めることが難しくなります。

しかし、余計な接続詞を入れたり、漢字をひらがなに代えたりして文字数を水増ししようという手段に走ることは止めましょう。そのような記事は、品質が悪いとして受領されない可能性が高いばかりでなく、ライターとしての信用を無くしてしまう可能性もあります。
こういう場合、縦に深掘りする方法があります。情報を集めることは横に網を広げることで記事の情報量を増やす方法でしたが、書かれている内容を縦に深掘りすることで記事の内容を充実させる方法を使うのです。

前述の例で言えば、国債のマイナス金利が発生したことに日銀のマイナス金利政策が原因になっていたことを書き加えることが横の網を広げた結果です。
そこに、日銀のマイナス金利政策とは具体的には日銀当座預金の一部に適応されることや、国債の利回りがマイナスになるということは利息を含めた価格以上で買われるために発生することだ、といった仕組みの解説を加えて、記事に厚みを加える方法です。

このようにして、読者にとってより有益な情報を提供できる充実した内容の記事が書ければ、単なる文字数の水増しにはならないでしょう。

どうしても書けない分野に注意

以上、文字数が不足している場合の対処方を紹介しましたが、もう一つ注意があります。

それは、テーマが専門的過ぎて、いくら情報を集めても基礎知識が不足しているためにそれらの情報を消化できない場合です。

これは受注してから気付いた場合、深刻な問題になります。

私も過去に何度か、自分では理解することが困難なテーマのライティングを受注してしまったことがあります。

受注してしまってからできなかったとは言えないため、僅か2,000文字程度の記事であるにもかかわらず1日がかり、あるいはまるまる2日間かけて書き上げたという冷や汗ものの経験をすることになりました。

ですから、仕事を受注する場合は、頑張れば書けそうなテーマか、それともどうあがいても太刀打ちできそうに無いテーマかを見極める必要があるでしょう。

特にIT系でも現場経験が無ければ書けないような専門性が高すぎる高度なテーマや、薬事法(※)や薬物の知識が必要な医療系テーマには注意しましょう。

まとめ

ライターには、得意な分野を極めていく姿勢が大切ですが、仕事の幅を広げるためには多少は難しそうなテーマでもチャレンジしていく姿勢も必要だと思います。

しかし、チャレンジングな姿勢で受注したは良いが、文字数が足りない、という場合は、情報量の不足を疑ってみましょう。横に広げても足りなければ縦に深掘りして情報を増やすことで、記事を水増しするのでは無く、内容の充実によって文字数を増やす様にするのです。

しかし、背伸びし過ぎて、手に負えない仕事を受注して信用を無くすことも避けねばなりませんね。

 

著者プロフィール

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地蔵重樹(ハンドルネーム:しげぞう)
元会社員で現在はフリーライター。ニュースサイトの記事からブックライティング(ゴーストライティング)まで行う。主な著書に『月10万円も夢じゃない! Webを活用して副業ライターで稼ぐ!』(秀和システム)、『〈アウトライン記述法〉でA4一枚の文書がサクサクつくれる本』(日本実業出版社)、『1日1時間から稼ぐ副業ライターのはじめ方』(自由国民社)がある。

 

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