この記事に何時間かけているんだろう……。 全く筆が進まないときの4つの処方箋

この記事に何時間かけているんだろう……。 全く筆が進まないときの4つの処方箋

「ライターズブロック」なんて言い方をされることもありますが、「全然執筆がはかどらない~!」という経験をしたことがあるライターさんは多いのでは? 1本書くだけなのに、数時間、ときには数日かかってしまうなんてことも……。そんなときにはどうすればいいのでしょうか。打開するためのヒントをご紹介します。

1.  とにもかくにもリサーチ!

まず大前提として、記事の構成を決めずに執筆をはじめているなら、一旦執筆を中断してアウトライン(「プロット」とも言う)を作成しましょう。

アウトラインは、見出しやおおまかな内容を記した、執筆する際の地図のようなもの。それがないと、どういう内容を書くのか、どういう結論に持っていきたいのかが定まらず、迷子になりやすいのです。また、アウトラインなしで書くと、出来上がった記事も内容がわかりづらいものになりがち。

知識がなければ書けない!

きちんとアウトラインを作成したのに、それでも書けないという場合は、リサーチが足りていないケースが多いのではないでしょうか。そのテーマに関しての知識が足りなければ、当然質のいい記事を書くことができませんし、「何を書けばいいんだろう……」と思考が止まった状態になってしまいます。

Webライターの場合、Webサイトのみでリサーチする人も多いかもしれません。でも、執筆テーマによっては、信憑性に乏しいサイトしか見つからない場合もありますよね。その場合、いくらWebで調べても書けません。書籍をあたれば解決するケースも多いので、ネットサーフィンで多くの時間を無駄にする前に、思い切ってパソコンの前から離れ、書店や図書館に足を運ぶことをオススメします。

2.  ターゲット設定を見直す

「書きたいことはたくさんあるけど、なんだか上手くまとまらないんだよな……」という場合、ターゲット(「ペルソナ」とも言う)の設定に問題があるのかもしれません。誰に向けてこの原稿を書いているのか、というのを改めて見つめ直してみるといいでしょう。

たとえば、同じ「転職」をテーマにして記事を書く場合でも、妻や子どもがいる40代男性に向けて書く場合と、30代の独身女性に向けて書く場合では、内容が大きく違ってきますよね。具体的にターゲット像をイメージすることで、おのずと記事の方向性、伝える内容の優先順位が固まってくるのです。

ターゲットのために親身になって!

筆者は、新人雑誌編集者時代に誌面の構成に悩んでいた際、先輩から次のようなアドバイスを受けました。

「はじめからプロットやラフレイアウトをつくらなくていいから、設定したターゲットが実際の友達だと思って、このテーマの内容を伝える手紙を書いてみるといいよ」

わけもわからず実践してみたのですが、友達だという前提で手紙を書こうとすると、
「間違ったことを教えては大変。入念にリサーチしよう」
「相手にわかりやすい言葉で伝えよう」
「特に重要なことを優先して伝えよう」
といった意識が働きました。もし、ターゲットのことを考えずに記事を作ったら、知り得た情報をそのまま羅列したような、教科書的な構成になってしまったかもしれません。

具体的なターゲットをイメージし、そのターゲットのために親身になればなるほど、質が良くオリジナリティのある記事が出来上がりますよ。

なお、クライアントの要望によっては、「老若男女問わず、基礎的な知識を伝えたい」という記事を書くこともあるでしょう。その場合は、逆に一部の人にしか関係のない内容をそぎ落していくのです。そして、どんな立場の人にとってもわかりやすい内容になっているか、しっかりチェックしてください。ターゲットのためを思う、という点では同じですね。

3.  一旦寝る!

リサーチをしっかりし、ターゲット設定を見直してみて、「それでも出来ない!」というときもあるかもしれません。その場合は、もしかして疲れがたまっているのではないでしょうか?

スケジュールをよく見つめ直して、明日書いてもいいなら出来る限り睡眠時間を確保しましょう。これは筆者の経験談ですが、十分に寝て体を休めると、昨日出来なかったことが案外すんなりできる、ということも多いものです。

なお、女性の場合は、月経周期が集中力に関係することもあります。一度月経周期を見直してみると、「この時期はいつも集中できないな」といった発見があるかもしれません。フリーランスであれば比較的自分で仕事量を調整しやすいので、集中できない時期に仕事が山積みにならないよう、あらかじめ調整しておくといいでしょう。

4.  とにかく最後まで書く!

もし、絶対に今日中に書かなくてはいけないなら、「書けない~」なんてのんきに言っているヒマはありません。請け負った以上、「書かない」なんて選択肢はないのです

「指をとめない!」と決めて、とにかく打ち込んでいきましょう。書いている途中でリサーチが足りなかった、と気づく部分もあるかもしれません。でも、「○○については後で調べる」とでも書いて、とにかく先に進み、まとめの部分まで書いてしまいます。

真っ白な原稿を前にするとパニックになりやすく、「できない! どうしよう!」という状態になってしまいがち。とにかく一旦指定の字数を稼げれば安心するものです。もちろん、きちんと品質は保たなくてはいけませんが、一旦書いた後に落ちついて推敲すれば、きっといいものが出来上がります。 

在宅でライターをしていると、誰も「ちゃんとやってる?」「急げよ!」なんてハッパをかけてはくれませんので、ついついひとつの仕事に時間をかけ過ぎてしまうことも……。

しかし、収入をアップさせていくためには、時給を意識することも大切です。「筆が進まない!」なんて事態はとてももったいないので、出来るだけ効率よく進めていきましょう。

 

著者プロフィール

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藤澤佳子
リクルート『SUUMO新築マンション』編集部を経て、現在はフリーランスのライター・エディター。過去の経験と保育士、ファイナンシャルプランナーの資格を活かし、主に住宅・金融・教育関係の執筆&編集活動を行う。私生活では2児の母。趣味は断捨離とコントラバス演奏。

 

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