誤字・脱字は必ずあると認識しよう―納品前の校正のポイント

あなたが執筆した原稿。締切ギリギリになってしまったからといって、たいして校正もせずに提出していませんか? 最近、WEBの記事を読んでいると誤字・脱字をよく見かけます。個人のブログやHPならいざしらず、名の通ったメディアでもとんでもない間違いの記事が掲載されていることがあって、驚いてしまいます。
あとで恥ずかしい思いをしないためにも、「編集者がチェックしてくれるから大丈夫」なんて甘い考えは一切捨てて、校正のポイントをしっかり押さえておきましょう。

WEBの記事はすぐに直せるから大丈夫?

雑誌、書籍などの出版物は一度印刷されて世に出てしまうと、修正することはできません。そのため、複数回に及ぶ校正と修正を経て出版に至ります。
一方、WEBの記事は、その性質上、あとから何度でも修正することが可能です。しかし、だからといって「間違えても何とかなる」なんて甘い考えを持っているとしたら、今すぐきっぱり捨てましょう。

たしかに、インターネットが普及したばかりの頃は、WEBメディアは数も影響力も今ほどではなかったこともあり、出版物に比べて軽んじられていたところがあると思います。
ですが、ご存知の通り、インターネットの進化は凄まじく、今では誰もがSNSなどを使って発信できる時代になっています。記事の間違いに気づいて修正したとしても、その前に誰かがSNSで投稿していれば、消したはずの記事は人の目に触れてしまいます。場合によっては瞬く間に拡散されて、取り返しのつかない事態になるなんてことも。

すぐに直せるからといって、間違いをなかったことにはできないのです。WEBにはWEBならではのリスクがあることを肝に銘じておいたほうがよいでしょう。

「何かあったら編集者が気づいてくれるだろう」ではダメ!

掲載記事の責任は著者だけでなく出版社やWEB運営会社にもありますが、「何かあったら編集者が気づいてくれるだろう」と他人まかせにするのは、プロのライターとして失格です。

ライターが書いた記事は、編集者以外に、社内の校正者や外注の校正専門業者が目を通すことがあります。校正作業は、元原稿と照合しながら一字一字チェックし、誤字・脱字や印刷ミスなどに赤字を入れます。ゲラ刷りがあがってきたら、赤字の修正漏れがないかを確認します。この作業を何度か繰り返します。このほかに、記事の内容の事実確認や不適切な言い回しや同じ単語の重複がないか、人名、固有名詞、住所、電話番号、年号、日付などに誤りはないかなど、校閲作業を行うこともあります。

校正は回数や人員が増えるほど精度が上がると言われていますが、社内に校正部などがなく、予算も時間もないため、編集者が一人でチェックするという現場も多く存在しています。
また、編集者は複数の案件を同時に抱えていることが常で、充分な校正ができる環境にないケースも少なくありません。多忙な編集者に校正を一任するのではなく、ライター自ら校正し、精度の高い原稿を納品するように心がけたいものです。

提出前にこれだけはやっておこう!校正の基本

ライターとして経験を積んでいくと、文章力も向上し、執筆する記事にも自信がついてくることでしょう。ですが、そんな時こそ注意が必要です。「絶対に間違えていない」と過信せず、「絶対に何か間違えているはず」と自分の書いた原稿を疑う姿勢が大切です。これだけはやっておきたい校正のポイントを紹介します。

・必ずプリントする

Wordの校閲機能を使うだけでもかなりのミスを防げますが、それだけでは不充分です。PCだけで校正を終わらせないで、必ずプリントして見直しましょう。俯瞰して見ることで、ディスプレイ上では分からない間違いに気づくことがあります。人名・固有名詞など校閲機能では発見できないミスや、PC作業ならではの変換ミスにも要注意です。

・執筆後しばらくたってからもう一度見直す

執筆直後は、多少なりとも気持ちが高揚していて冷静な判断ができないことがあります。また、書いた内容は誰よりも分かっていて、間違いがあっても気づかずに読み飛ばしてしまうことも。しばらく時間をおいて冷静、客観的な目でもう一度校正します。そのための時間もキープしておきましょう。

・音読する

目だけで文章を追っていくと、間違いがあっても頭の中で文章を修正してしまうことがあります。一度、声に出して読んでみると、言い回しや句読点の位置がおかしかったり、同じ単語が重複したりしていることに気づきます。

重宝されるライターになろう

最後になりますが、もし、あなたが編集者だったら、ミスの多いライターとミスがほとんどないライター、どちらにもう一度仕事を依頼したいですか? 答えるまでもありませんね。記事にミスが多ければ、ただでさえ忙しい編集者の仕事は増える一方です。「ミスがない」ことは「締切を守る」ことと同じくらいライターにとって大切なことだと思います。

当たり前に感じるかもしれませんが、毎回確実な原稿を書き続けることは強みであり、編集者やクライアントの信頼につながります。信頼を得られれば、次の仕事につながります。つまり、校正力を高めることはライターの営業にもなるということです。「たかが校正、されど校正」、校正力を磨いて重宝されるライターを目指しましょう。

 

著者プロフィール

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高津直子
映画配給会社、出版社勤務を経て、2012年よりフリーランスのライター・エディターに。
雑誌・WEBのインタビュー記事をはじめ、時事ネタコラムやエンタメ系コンテンツ記事などを執筆。
編集業務として電子短編小説、漫画冊子などがある。趣味は映画観賞と読書。

 

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