歯ぐきがぷくっとしているのに気づいて、鏡をのぞき込んで、「まあ明日には引いてるでしょ」とそっと口を閉じる。
その気持ち、痛いほどわかります。
私も先週、奥歯の内側を指で押しながら、まったく同じことを考えていました。
はじめまして、柚木葉子(ゆずき ようこ)と申します。
歯科衛生士として18年、これまで延べ5万人ほどの方のお口の中を見せていただいてきました。
今はフリーランスの口腔ケアアドバイザーとして、「頑張りすぎないお口のケア」をお伝えしています。
歯ぐきの腫れが少し厄介なのは、「一晩で引くもの」と「今日中に動いたほうがいいもの」が、見た目だけだとよく似ていることです。
腫れの正体によっては、放っておくうちに頬やあごの下まで広がって、口が開かなくなることもあります。
かといって、ぷくっとしたところ全部に慌てて駆け込まなければいけないわけでもありません。
この記事では、その2つを分けるための確認ポイントを、鏡の前で順番にできる形にまとめました。
何日くらいまでなら様子を見ていいのか、受診までのあいだ家で何をして何をしないのか、というところまで書いています。
保健室に来た生徒さんの話を聞くようなつもりで書きますので、どうぞ気楽に読んでください。
目次
歯ぐきが腫れたとき、最初に確かめたい3つのサイン
原因を突き止めるのは後回しでかまいません。
まずは「今日を様子見で終わらせていいかどうか」だけを判断しましょう。
確認するのは3つだけです。
サイン1:腫れているのは歯ぐきだけか、外まで来ているか
鏡で口の中を見たあと、口を閉じて顔を正面から見てください。
歯ぐきの一部がぷくっとしているだけなら、ひとまず落ち着いて大丈夫です。
けれども頬のライン、あごの下、目の下のあたりまでふくらんでいる場合は、炎症が口の中から外へ広がりはじめています。
日本口腔外科学会の炎症についての解説では、むし歯や歯周病から始まった炎症が重症化すると、感染が顎の骨から口の底やあごの下、首へと広がっていくと説明されています。
まれに命に関わることもあると書かれているくらいですから、「顔が変わってきた」は様子見の対象から外してください。
サイン2:口はいつも通り開くか、飲み込めるか
次に、口を大きく開けてみます。
縦にして重ねた指2本分が入らないほど開きにくいときは、炎症が口を開け閉めする筋肉のあたりまで届いているサインです。
唾を飲み込むときに喉の奥がつらい、声がこもる、といった変化も同じ意味を持ちます。
このあたりの症状は、ご自身では「ちょっと開きにくいだけ」と感じやすいのが怖いところです。
昨日と比べて開き方が明らかに狭くなっているなら、それは十分に大きな変化だと考えてください。
サイン3:熱、だるさ、痛みの勢い
体温を測ってみましょう。
歯ぐきの腫れに発熱や寒気、体のだるさが重なっているときは、体が全身で細菌と戦っている状態です。
痛みの「向き」も大事な手がかりになります。
昨日より今日、今日より今夜と、一晩でぐんぐん強くなっていく痛みは、放っておいてよくなる痛みではありません。
逆に、少しずつ和らいでいる痛みは、体が押し返せている可能性があります。
| 確かめること | 今夜は様子を見てもよい | 今日中に歯科・口腔外科へ |
|---|---|---|
| 腫れの範囲 | 歯ぐきの一部だけ | 頬・あごの下・目の下まで腫れている |
| 口の開き具合 | ふだんどおり開く | 指2本分も開かない |
| 飲み込み・声 | いつもと変わらない | 唾を飲むのがつらい、声がこもる |
| 熱・全身の様子 | 平熱で元気がある | 発熱、寒気、強いだるさがある |
| 痛みの勢い | 横ばい、または和らいでいる | 半日〜一晩でどんどん強くなる |
| 出てくるもの | 特になし | 押すと膿が出る、味やにおいがおかしい |
右側にひとつでも当てはまるものがあれば、その日のうちに歯科医院へ電話をしてください。
夜間で連絡がつかず、飲み込みや息のしづらさがあるときは、救急外来の受診をためらわないでください。
そもそも、歯ぐきの腫れは口の中で何が起きているサインなのか
危険なサインがないと確認できたら、ここからは「何が起きているのか」を考えていきます。
仕組みが少しわかると、放っておくとどうなるかの想像がつくようになるので、判断がぐっと楽になります。
腫れは、体が細菌と戦っている現場です
歯ぐきの腫れは、細菌そのものがふくらんでいるわけではありません。
細菌をやっつけるために、体が血液と免疫の兵隊をその場所へ大量に送り込んでいる状態です。
血管が広がって水分がしみ出すので、赤くなって、ぷっくりして、熱を持ちます。
台所でいえば、こぼした煮汁を拭かずに置いておいたところに、アリが集まってきて、そこへ慌てて洗剤と雑巾を投入した状態に近いかもしれません。
汚れの供給が続くかぎり、掃除の応援部隊も出動しつづけます。
だから、腫れを引かせるいちばんの近道は、汚れの供給元を断つことになります。
歯ぐきの縁が腫れるタイプ
いちばん多いのが、歯と歯ぐきの境目から広がるタイプです。
歯と歯ぐきのあいだにある「すき間ポケット」(歯周ポケット)に細菌のかたまりが残ると、その毒素で歯ぐきに炎症が起こります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、この状態を歯肉炎とし、進行して歯を支える骨まで溶ける状態を歯周炎と呼び分けています。
歯肉炎の段階なら、汚れを落としきることで元の引き締まった歯ぐきに戻せます。
一方、骨が溶けはじめてからは、失われた骨は自然には戻ってきません。
日本歯周病学会の歯周病Q&Aには、体調が悪くて免疫力が落ちたときに症状が出て、体調が戻ると治まる、という書かれ方がされています。
「疲れると腫れて、寝たら引く」を繰り返している方は、治っているのではなく、そのたびに押し返しているだけだと考えてください。
歯の根っこの先が腫れるタイプ
歯ぐきの縁ではなく、少し離れたところにぷくっとしたおできのようなふくらみができることがあります。
これは歯の根っこの先で膿がたまり、逃げ道を求めて歯ぐきの表面に出口を作っている状態です。
済生会の根尖性歯周炎の解説によると、むし歯が進んで歯の神経が死んでしまい、根の先の穴から周りの組織へ感染が広がることで起こります。
歯が浮いたような感じ、噛むとひびく痛み、ズキンズキンと脈を打つ痛みが特徴です。
やっかいなのは、膿の出口ができると圧力が抜けて、痛みがすっと軽くなることです。
本人は治ったと思うのですが、根っこの中の細菌はそのまま残っています。
神経を抜いた歯や、大きな詰め物・被せ物が入っている歯の近くが腫れたときは、このタイプを疑ってください。
親知らずの周りが腫れるタイプ
いちばん奥の歯ぐきがかぶさったように腫れて、口が開けにくくなるのは、親知らずの周りで起きる炎症です。
済生会の智歯周囲炎の解説では、初期には歯ぐきの腫れや痛み、膿が出る程度でも、進むと飲み込みづらくなり、口が開きにくくなり、顔の腫れがはっきりしてくると段階が示されています。
親知らずは、半分だけ顔を出していたり、斜めに生えていたりすることが多い歯です。
歯ブラシの毛先が構造的に届かないので、汚れが残るのは磨き方の問題というより場所の問題です。
日本口腔外科学会の親知らずについての解説にも、汚れがたまってむし歯や歯周病になりやすいことが書かれています。
鏡の前でできる、腫れの見分け方3ステップ
ここからは実際に確認してみましょう。
洗面所の鏡の前で、3分あれば終わります。
ステップ1:明るいところで、腫れている位置を確かめる
洗面所の照明だけだと奥は見えません。
スマホのライトを口の中に向けて、頬を指で引っぱりながら見てください。
見るのは、腫れているのが「歯と歯ぐきの境目」なのか、「歯ぐきの真ん中あたり」なのか、「いちばん奥の歯の後ろ」なのかの3つです。
境目が全体に赤くぶよぶよしているなら歯ぐきの縁のタイプ、1か所だけおできのようにぷくっとしているなら根っこの先のタイプ、奥の奥なら親知らずのタイプが疑わしくなります。
ステップ2:やさしく触って、硬さと痛み方を確かめる
洗った指の腹で、そっと押してみます。
つまようじや爪楊枝のような硬いもので触るのはやめてください。
やわらかくてぶよぶよして、押すと白い膿がにじむ場合は、膿がたまっているサインです。
逆に、痛みがまったくなくて、歯と歯のあいだの歯ぐきが硬く盛り上がっているような腫れは、また別の原因(次の章で触れます)を考える必要があります。
噛んだときだけ響くのか、じっとしていてもズキズキするのかも、覚えておいてください。
ステップ3:スマホで撮って、日付を残しておく
これがいちばん役に立ちます。
今日の腫れをスマホで1枚撮っておいてください。
翌日、同じ角度でもう1枚撮ると、大きくなっているのか小さくなっているのかが一目でわかります。
記憶だけだと「昨日より腫れてる気がする」で終わってしまいますが、写真は判断材料になります。
歯科医院でも、いちばん腫れていたときの写真があると、とても助かります。
歯周病以外にもある、歯ぐきが腫れる原因
「歯ぐきの腫れ=歯周病」と思われがちですが、現場で見ていると、そうでないケースも案外あります。
心当たりを探す材料として、代表的なものを挙げておきます。
食べものが挟まっているだけのこともあります
繊維の多いお肉や、せんべいのかけらが歯と歯のあいだに入り込んだまま数日たつと、その場所の歯ぐきだけが赤く腫れます。
私自身、堅焼きせんべいの食べ歩きが趣味なので、これは何度も経験しました。
心当たりがあるときは、まずデンタルフロスをそっと通してみてください。
挟まっていたものが取れて、2〜3日で赤みが引いていくなら、この可能性が高くなります。
ただし、フロスを勢いよく入れると歯ぐきを傷つけるので、ゆっくり下ろして、横に引き抜くようにしてください。
飲んでいるお薬の影響で腫れることがあります
痛みがないのに歯ぐきが硬くもこもこと盛り上がってくる場合、お薬の影響が関係していることがあります。
日本口腔病理学会の薬物性歯肉増殖症の解説では、抗てんかん薬のフェニトイン、血圧のお薬であるカルシウム拮抗薬のニフェジピン、免疫抑制薬のシクロスポリンなどが挙げられています。
大事なのは、思い当たっても自己判断でお薬をやめないことです。
処方している先生と歯科の先生の相談が必要な話なので、「このお薬を飲んでいます」と歯科で伝えるところまでがあなたの役目だと考えてください。
お薬手帳を持っていくのがいちばん早いです。
女性ホルモンの波で腫れやすくなる時期があります
妊娠中や、生理の前に歯ぐきがぷくっとしやすくなる方がいます。
ホルモンの影響で歯ぐきの血管の状態が変わり、いつもと同じ汚れの量でも炎症が出やすくなるためです。
これは体質の問題ではなく、条件が厳しくなっている時期だと考えてください。
汚れの供給が減れば腫れも出にくくなるので、その時期だけ夜のケアを少し丁寧にする、という対応で乗り切れることが多いです。
妊娠中の方は、安定期に一度歯科で見てもらっておくと安心できます。
2週間たっても変わらない腫れは、別の可能性も考えます
痛みがないまま、しこりのような腫れやただれが2週間以上続いている場合は、念のため確認しておいたほうがいい状態です。
国立がん研究センターの口腔がんの原因・症状についてのページには、初期にはほとんど痛みや出血を伴わないため口内炎と思い込んで放置されやすいこと、2週間しても治らない場合は注意が必要であることが書かれています。
怖がらせたいわけではありません。
むしろ口の中は、自分で鏡を見て変化に気づける数少ない場所です。
「痛くないから大丈夫」ではなく「痛くないのに2週間残っているから見てもらおう」と考えていただければ十分です。
「様子見」していい期間は、どれくらいでしょうか
ここが、いちばん聞かれる質問です。
私はいつも「2〜3日」とお答えしています。
ただし、いくつか条件がつきます。
目安は2〜3日、条件は「悪くなっていないこと」
最初にお伝えした3つのサイン(顔の腫れ、口の開きにくさ、発熱)がなく、痛みが強くなっていかないことが条件です。
その状態で、心当たりのある汚れをやさしく落として2〜3日過ごし、腫れが小さくなっていくなら、ひとまず経過を見て問題ありません。
反対に、この期間に少しでも大きくなった、痛みが増した、膿が出はじめたという場合は、様子見の期間はそこで終わりです。
「明日は土曜だから月曜まで」と延ばしたくなる気持ちはよくわかりますが、炎症は曜日を気にしてくれません。
「痛みが引いた」は「治った」ではありません
膿がたまって圧力が高まると強く痛み、膿の出口ができて圧が抜けると痛みが引きます。
つまり、いちばん痛い時期を越えて楽になるのは、悪くなった結果としての「楽」であることが少なくありません。
歯ぐきの中に汚れや細菌の住みかが残っているかぎり、条件がそろえばまた腫れます。
疲れたとき、寝不足のとき、風邪をひいたときに決まって同じ場所が腫れるのは、その住みかがずっと残っている証拠です。
繰り返している人は、回数を数えてください
「年に2回くらい腫れます」と、当たり前のようにおっしゃる方がいます。
これは体質ではなく、原因が手つかずで残っているサインです。
同じ場所が1年に2回以上腫れているなら、腫れが引いているタイミングで一度きちんと調べてもらってください。
腫れている最中は応急処置しかできませんが、落ち着いているときならレントゲンも撮れますし、根っこの状態も歯ぐきの深さも正確に測れます。
腫れていないときこそ、いちばん本質的な治療ができる時期です。
受診までの応急ケアと、やってはいけないこと
予約が明日、あるいは明後日というとき、家での過ごし方で楽さがずいぶん変わります。
やることは3つ、やらないことも3つです。
冷やすなら、外から、やさしく
冷たいタオルや、タオルで包んだ保冷剤を頬に軽く当ててください。
血管が少し縮んで、ズキズキする感じが和らぎます。
氷を直接口の中に入れたり、保冷剤を肌に直接押し当てて長時間冷やしたりするのは避けてください。
冷やしすぎると血の巡りが悪くなって、かえって治りが遅くなります。
「気持ちいいな」と感じる程度で切り上げるのがちょうどいい加減です。
温める・お酒・長風呂・激しい運動は先送りに
これは料理でいえば、火を止めたい鍋に薪をくべるようなものです。
血の巡りがよくなると炎症の勢いも増して、痛みも腫れも強くなります。
腫れているあいだは、次の3つを控えてください。
- 湯船に長くつかること(その日はシャワーで切り上げる)
- お酒を飲むこと
- 走る、筋トレをするなど、心拍数が上がる運動
どれも一時的な話です。
腫れが引けば、また堅焼きせんべいも激辛料理も楽しめます。
痛み止めとうがいは、加減が大事です
市販の痛み止めは、使っても問題ありません。
痛みで眠れないほうが体力を削られますので、用法・用量を守って使ってください。
ただし、飲んで痛みが消えたからといって受診を先送りにしないでください。
うがいは、強く「ブクブク」やりすぎないほうがいいです。
膿の出口をふさいでいるかさぶたのような部分を洗い流してしまうと、痛みがぶり返すことがあります。
ぬるま湯を口に含んで、そっと動かして吐き出す程度で十分です。
歯ブラシについても、よく聞かれます。
腫れているところを避けて全体を磨くのは続けてください。
腫れているところ自体は、やわらかい歯ブラシの毛先を軽く当てて、汚れを追い出すイメージでそっと動かします。
完璧に磨こうとして力を入れると、逆効果になります。
| 受診までの過ごし方 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 痛みへの対応 | 冷たいタオルで外から軽く冷やす | 温める、氷を直接当てる |
| 生活 | シャワーで済ませる、早めに休む | 長風呂、飲酒、激しい運動 |
| 口の中 | ぬるま湯でそっとゆすぐ | 強いうがい、つまようじで触る |
| 歯みがき | 腫れた部分以外はいつもどおり | 腫れた場所を強くこする |
| 薬 | 市販の痛み止めを用法どおりに | 痛みが引いたからと受診をやめる |
歯科に行くと決めたら、準備しておきたい3つのこと
診察室に入ると、緊張して言いたいことが飛んでしまう方は多いです。
メモを1枚作っていくだけで、診察の精度が変わります。
伝えることを、3つに絞って書き出す
診察前に、次の3点だけ整理しておいてください。
- いつから、どこが、どんなふうに腫れたか(強くなっているか、和らいでいるか)
- 熱・口の開きにくさ・飲み込みづらさがあるかどうか
- 持病、飲んでいるお薬(お薬手帳を持参)、アレルギーの有無
心当たりのある出来事も添えてください。
「先週、硬いものを噛んだ」「前に同じ場所を治療した」といった情報は、原因を絞り込む大きな手がかりになります。
ステップ3で撮った写真も、忘れずに見せてください。
「抜くと言われるのが怖い」は、先に言っていい
歯科に行きたくない理由の上位に、いつもこれが来ます。
削られるのが怖い、抜かれるのが怖い、費用が心配。
どれも自然な感情ですし、隠す必要はまったくありません。
最初に「できれば残す方向で相談したいです」と伝えてしまってください。
そのうえで、なぜその処置が必要なのかを説明してもらう。
説明を聞いてから決めることは、患者さんの当然の権利です。
腫れていない今のうちに、行き先を決めておく
歯ぐきの腫れは、平日の昼間に都合よく起きてはくれません。
金曜の夜や、日曜の朝に限って大きくなるものです。
だからこそ、腫れていない今のうちに、夜遅くまで診てくれる医院や休日も開いている医院をひとつ調べておくと安心できます。
たとえば大阪市鶴見区のつるみ通り歯科クリニックは、月曜から土曜は夜20時まで、日曜も18時まで診療しています。
お住まいの地域でも、こうした医院をスマホの連絡先に1件登録しておくだけで、いざというときに迷わなくて済みます。
ちなみに私は極度の方向音痴なので、初めて行く医院は前日に地図を見てもたどり着けません。
腫れて焦っている日に道に迷うのは、なかなかこたえます。
場所の確認まで含めて、元気なうちにやっておくのがおすすめです。
腫れを繰り返さないために、今夜からできること
最後に、予防の話を少しだけ。
完璧を目指す必要はありません。
夜だけ、腫れやすい場所を1本だけ丁寧に
腫れを繰り返す場所は、たいてい決まっています。
その1本だけ、夜の歯みがきで10秒よけいに時間をかけてください。
歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目に45度くらいの角度で当てて、小さく震わせるように動かします。
力はいりません。
お皿洗いと同じで、大事なのは力ではなく、汚れに当たっているかどうかです。
歯間の掃除は、腫れが引いてから始める
フロスや歯間ブラシは、たしかに効果があります。
ただ、腫れて痛いときに新しく始めると、痛い思いをして続かなくなります。
腫れが落ち着いてから、まずは夜だけ、気になる1か所から始めてください。
全部の歯を一度にやろうとして三日で挫折するより、1か所を3か月続けるほうが、歯ぐきははるかに応えてくれます。
定期的に見てもらうことが、いちばんの近道
歯ぐきの深さや骨の状態は、自分では測れません。
半年に一度でも見てもらっていれば、腫れる前の段階で気づけます。
「痛くなってから行く場所」から「様子を見てもらいに行く場所」へ。
この切り替えができた方は、腫れで慌てる回数がはっきり減っていきます。
まとめ
歯ぐきの腫れは、様子を見ていいものと、今日動いたほうがいいものがあります。
分かれ目は、顔まで腫れているか、口が開くか、熱があるかの3つです。
このどれかに当てはまるときは、その日のうちに歯科医院へ連絡してください。
当てはまらなければ、2〜3日は様子を見てかまいません。
ただし、その間に大きくなったり痛みが増したりしたら、そこで様子見は終わりです。
そして痛みが引いても、同じ場所が繰り返し腫れているなら、原因はまだ残っています。
お口の健康は、人生の「おいしい」を守ることです。
歯ぐきが腫れているあいだは、好きなものも半分の味しかしません。
まずは今夜、腫れている場所をスマホで1枚だけ撮ってみてください。
明日の自分が判断するための材料が、それだけで手に入ります。
それができたら、もう十分えらいです。