【原稿を磨くヒント 1】冗長な文章をスッキリさせるリライト術

【原稿を磨くヒント 1】冗長な文章をスッキリさせるリライト術

「文章を読みやすくしてください」「もう少し読者に伝わるようリライトを」。

そんなコメントが原稿に入って戻ってきたとき、「じゃあ、どうすればいいんだ!」と悩んでしまうことはありませんか? 編集者はサラッと赤字を入れてしまいがちですが、ライター側からすれば、自分の文章を自分でリライトするのはなかなか難しいものです。

今回は、そんなときに役立ててほしいリライト術をお伝えします。

冗長な文章にNGが出た!どこが悪かったの?

「表現がもたついています。もう少しスッキリさせてください」という編集者のコメントがよくみられるのは、例えば次のような文章です。

<NG例>免疫力に関する記事

季節の変わり目は免疫力が低下する人が多いです。免疫力が低下すると、病気にかかりやすくなるということがいわれています。免疫力を上げるためにはどうすればよいのでしょうか。免疫力の低下を防ぐのに必要なのは、生活習慣の見直しなどです。


いいたいことはわかるけれど読みにくい、そんな印象を受ける文章ではないでしょうか。

特に気になるのが、以下の3点です。

  • 「免疫力+低下」という表現の重複。
  • 「なるということがいわれています」という、回りくどい表現。
  • 文章に抑揚がなく、ブツブツ途切れている。

これらに注意して、文章をスッキリさせてみましょう!

<リライト例>

季節の変わり目に、免疫力が低下する人は多いものです。免疫力が下がると、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まり、病気にかかりやすくなってしまいます。では、どうすれば免疫力が高い状態を維持できるのでしょうか。そのカギを握るのが、「運動」「食事」「睡眠」の3要素です。


ただ文字数を減らせばスッキリするわけではありません。ときには、言葉を足したほうが読みやすくなる場合もあるでしょう。「免疫力+低下」については、キーワードとなる「免疫力」はそのままで、「低下」という言葉に変化をもたせて重複を避けます。また、もたついた文章によくみられるのが、「ということ」「することができるようになる」といった回りくどい表現です。そのほか、「など」「も」の多用にも気をつけたいですね。

上記はあくまでも一例です。

文章をスッキリさせるには、具体例をわかりやすくあげ、文末表現に変化をもたせることもポイントとなるでしょう。

今後の文章づくりのヒントになれば幸いです。

 

著者プロフィール

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藤田幸恵
医学書の出版社勤務を経て、フリーランスのライター・エディターに。得意ジャンルは、美容・医療・薬事関連。企業の広報やECサイトの各種ライティング、紙媒体の出版物に携わる。好きな場所は図書館。苦手な場所はサウナ。

 

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