【海外特派員レポート】アイルランド人の主食はやっぱりジャガイモ

【海外特派員レポート】アイルランド人の主食はやっぱりジャガイモ

アイルランド人の主食はジャガイモです。ジャガイモに対する愛着は強く、あれこれとジャガイモについて会話をするのがアイルランド人。どのジャガイモがローストポテトに適しているとか、チップス(フレンチフライ)に何をかけて食べるか、などなどジャガイモ談義はつきません。

ジャガイモの種類

ジャガイモにも色々と種類があり、調理法が変わってきます。チップスを作るのに適してる「Kerr’s Pink」や「Golden Wonder」 。「Rooster」は何を作るにも適している優れもの。そして、新ジャガイモは、シンプルに茹でて、バターをつけて食べる人が多いと思います。

我が家では、野菜を栽培していますが、一番面積を割いているのがジャガイモ。収穫したてのジャガイモの味は、日本人の私でも毎年感動します。夫は、ジャガイモ収穫時期になると「ディナーはジャガイモだけでいいよ」などと、冗談とも本気ともとれないことを言いだします。

マッシュポテト

そんな中で、一番家庭的で、みんなに愛されているのがマッシュポテトではないでしょうか。茹でたジャガイモをマッシャーでつぶし、バター、牛乳、塩、こしょうで味付けした料理。中には、リッチな仕上がりになるように牛乳の代わりにクリームを使ったり、ナツメグを加えたりする家庭もあります。

アイルランドにはマッシュポテトにも数種類あり、マッシュポテトに茹でたキャベツやケールを加えたものがコルカノン(colcannon)。スプリングオニオンと呼ばれる、小さなネギを刻んで加えたのがチャンプ(champ)。

私たち日本人が海外旅行から帰ってくると、白いご飯とお味噌汁を食べて一安心するように、アイルランド人はマッシュポテトを食べて、ほっと落ち着くのだと思います。

アイルランドの根幹を支えるジャガイモ

19世紀にジャガイモが疫病により収穫できず飢餓をもたらし、約100万人が死亡し、さらに100万人ほどがアメリカなどに移住した結果、人口が20~25%減少した歴史がアイルアンドにはあります。この飢餓は「Potato Famine」(ジャガイモ飢餓)とも呼ばれ、当時貧しかったアイルランド人がどれほどジャガイモに頼っていたのかがわかります。

現在は、ジャガイモだけにとらわれず、パン、お米、パスタなど色々なものを食べていますが、やっぱりたどり着くのはジャガイモです。

スーパーマーケットでは、一家の主婦が5kgkgや7.5kg入りの大きなジャガイモの袋をカートに入れ、「バターの入れすぎなんじゃないの??」と小言を言われながらも、マッシュポテトにたっぷりのバターを加え、パブの帰りにはテイクアウェイのお店から、ビネガーと塩のかかったチップスを食べながら家路につく、これがアイルランド人とジャガイモの関係なのです。

 

海外特派員:ケリー宏美 2000年よりアイルランドに在住。現在は、夫、息子、愛犬2匹、ニワトリ3羽とともにアイルランドで田舎生活を満喫しています。在宅で仕事をしながら、育児に奮闘し、趣味の料理を楽しんでいます。ブログ「アイルランドのキッチンから」http://ameblo.jp/irelandcountryside/

 

 

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