【海外特派員レポート】穴場中の穴場。ローマの美術館・博物館へようこそ!

【海外特派員レポート】穴場中の穴場。ローマの美術館・博物館へようこそ!

古代ローマと中世ルネッサンス、そして現代が交錯する街、ローマ。この世界有数の観光都市に住んではや4年。毎日何かしら新しい発見がある……というほど、ローマは奥深い街です。住んでみなければわからない現地情報をお届けします。

突然ですがクイズです。

ここ、一大観光都市ローマで、観光客が全然訪れない場所ってどこでしょう?

答えは美術館と博物館です! 意外に思われた方も多いと思いますが、ローマにはコロッセオやフォロ・ロマーノ、トレヴィの泉やスペイン広場など見どころがたくさんあり、美術館や博物館まで行く時間は全くないのです。(ちなみに「ヴァチカン美術館に行ったわよ!」という方、ヴァチカン美術館はヴァチカン市国の運営なのでローマの美術館とはいえないんですねー。)実際にツアーでローマを訪れる場合、ローマの美術館・博物館へ行くプランは皆無といっていいでしょう。

しかし以外にもローマの美術館や博物館は他の都市に負けないほど魅力があり、誰でも知っている有名なモニュメントをひとつくらい諦めても、行く価値はあるのです。

 

人気がいないのは長所?

観光都市の有名美術館といえば、常に人が並ぶことで有名です。お隣の“国”ヴァチカン美術館ではハイシーズンになると入場に1時間待ちは当たり前。やっとの思いで中へ入っても人、人、人でゆっくり作品を鑑賞するのも一苦労です。

それに比べ、ローマの美術館・博物館はどこも常にガラガラ。スムーズに入場できて、館内も人が少ないので、自分のペースでゆっくりと見学することができます。

ボルゲーゼ公園の上にある国立近代美術館では、モネやゴッホなどの印象派の作家からカンジンスキー、クリムトなどなどメジャーな作家のマイナー作品(失礼!)が楽しめます。とにかく人がいないので、有名画家の絵を独り占めできる数少ないチャンスではないでしょうか?

 

夜まで開いている?コンサート会場に変身?

またローマ市は、芸術都市の威信にかけて(か、どうかは知らないですが)市民が芸術に親しめる機会をたくさん作っています。 IMG_2110

“La notte dei musei” 直訳すると博物館の夜。毎年行われるこのイベントは、普段は閉まっている夜のミュージアムを、深夜2時くらいまで市民に開放しよう、というイベント。ローマ市が運営しているほぼ全てのミュージアムで行われ、入場も無料。作品を鑑賞しながら窓の外を除くと、そこにはきれいな月が……。昼間とはまた違った雰囲気で、まさに映画ナイトミュージアム気分が味わえます。おすすめはトライヤヌス帝のマーケット。ライトアップされた中庭が幻想的です。

そして”musei in musica” も同じような夜のイベントですが、こちらはミュージアムをコンサート会場にしてしまおうというもの。各美術館や博物館によってクラッシックやジャズなど音楽のジャンルも違うので、好みのものを選べます。芸術作品の中で音楽を楽しむなんてちょっと贅沢ですよね。こちらも一部のミュージアムを除き、基本的には入場無料。ただし席数が限られているので、入場は早いもの勝ち。

ちなみに普段は11時で終わってしまう地下鉄も、この手のイベントがある日は1時半まで動いています。

さらに”Settimana della cultura” (芸術週間)が春先にあり、1週間ほどローマ市が運営している美術館・博物館の入場が無料になります。財団法人が運営している日本の多くの美術館とは違い、芸術は市民のもの。公共施設だからこそ実現できるイベントです。

 

建物も芸術作品

ローマのミュージアムは、以前は貴族の館だったものがほとんど。絵画に興味がなくても、楽しめるところがたくさんあります。中でも、現在も内務省としても使われているスパーダ絵画館は、バロック時代の内装や家具がそのまま展示してあり、宮殿見学としても興味深い場所です。

そして個人的に気に行っているのはローマ国立博物館の別館、アルテンプス宮。ナボーナ広場にほど近いこの宮殿の中には、ギリシャ神話の神々の彫刻が展示してあります。落ち着いた館内を、彫刻を眺めながらまわるのは、まさに癒しの時間。心が満たされていきます。

 

いかがでしたか? ローマに来られる際には、ネットなどでイベント情報をチェックして、美術館や博物館に足を運んでみてください。きっとあなただけの特別な旅の思い出ができますよ。

 

 

参考: ローマ市公式ページ【ローマの主要博物館についてもっと知る】 http://www.japanitalytravel.com/banner/comuneroma/musei.html

 

海外特派員:安岡真理

環境保護団体でボランティア活動をするために来伊してはや4年。ここローマでのんびりと休日のような平日を過ごしています。

 

 

 

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