ライターから編集者へ!ステップアップするために必要な3つのポイント

ライターから編集者へ!ステップアップするために必要な3つのポイント

憧れだったライターになったものの、思うように稼げないと悩んでいませんか?でも書くことは辞めたくない、それなら編集者を目指すというのも一つの手。しかし、今度はどうすれば編集者になれるの?と悩みは尽きませんよね。そのような方のために、編集者になるために必要な経験や編集の仕事をするためのポイントをご紹介します。

ライターと編集者の違いとは?

最初に、ライターと編集者の違いについてみてみましょう。

ライターとは、その名の通り文章を書く人です。基本的には編集者などから依頼を受けて取材をし、企画意図に沿った原稿を執筆します。実際に手を動かし、一つのコンテンツに集中して形にしていくのがライターの仕事です。締切りさえ守れば、一人でマイペースに進められるのもライターの仕事の特徴です。

編集者の主な仕事は企画の立ち上げと、それに関わる一連の業務です。企画に必要なコンテンツや全体のスケジュールを考えて管理する「進行管理」が主な仕事で、自分で執筆することはあまりありません。ライターやフォトグラファー、イラストレーター、校正士などを手配し、同時進行で進めるため、全体を俯瞰する視点が必要です。予算取りなどの「コンテンツ制作以外の部分」も編集者の仕事になります。

実際には文章も執筆する編集者もいれば、企画から担当するライターもいます。しかし、基本的には一つのコンテンツ制作を担当するのがライターで、さらに大きな企画やプロジェクト単位で仕事に関わるのが編集者だといえます。

編集者になるために必要な経験

ライターになるための資格はなく、特別な学歴を求められることもありません。文章力さえあればなれます。ライターの中には出版社などに勤務する人もいますが、フリーランスでの働き方も多いのは、「紙とペンさえあれば(現代ではパソコンとネット環境さえあれば)」と言われるように、どこでもできる仕事だからです。

同様に、編集者になるためにも特別に必要な資格はありませんが、ライターとは異なり、文章力さえあれば誰でもなれるというわけではありません。実際に現場で職務に就き、経験を積むことが必要となります。

出版社や編集プロダクションに就職して、編集アシスタントとして経験を積み、編集者になるケースが大半です。人気の職業のため、採用倍率は数十倍とも数百倍とも言われます。特に大手出版社への就職は、難関中の難関です。採用条件も「大卒以上」となっており、大学への進学は必須です。偏差値の高い有名大学卒など高学歴であるほど採用には有利とされます。

それでは、学歴も編集経験もないライターが編集者になるためには、一体どうすればよいのでしょうか。実は、大手出版社にこだわらなければ、編集者には意外と多くの道が開けています。中小の出版社や編集プロダクションでは、経験者の中途採用がメインとなりますが、中には学歴や職歴を問わないケースもあります。とはいえ、ライターとして企画を立てた経験や、編集的な視点があることが伝われば、まったくの業界未経験者よりは有利です。

最近では、Webメディアやメールマガジン、電子書籍など紙媒体以外のメディアも増えており、各媒体に編集者は必要とされています。出版社などの紙媒体と比べ、編集者として比較的採用されやすいのがWeb媒体です。

編集者は転職や独立する人の多い職種です。まずは未経験でも応募可能な媒体で編集者として経験を積んでから、自分のやりたいことのできる媒体を目指すのがおすすめです。

編集者として働くための3つのポイント

最後に、編集者として働くために磨くべきポイントを3つ、ご紹介します。

1.企画力

編集者に求められる一番のポイントは、「企画力」があること。「発想力」と言い換えてもいいかもしれません。優秀な編集者は、常にアンテナを立ててトレンドを追いかけながら、同時に「人とは違った視点」で切り取ることで「面白い企画」を生み出します。

媒体の読者層に訴求する企画のために、市場調査で読者のニーズを調べ、ターゲットを絞り込みます。どのような企画がターゲットの興味を引き心に響くか、「斬新で他の誰とも違う切り口で企画を考えられること」が編集者としての第1のポイントです。

2.管理能力

編集者は「おもしろい企画さえ立てられれば良い」というものではなく、同じくらい必要とされるのが管理能力です。企画全体の進行管理を行う編集者は、スケジュールや予算など複数のことに同時に気を配る必要があります。求められるのは、無理のないスケジュールを組み確実に実行する力です。

「突飛な発想」と「堅実に仕事をこなす力」という、相反する能力を必要とされるのが編集者です。

コンテンツの編集作業などの業務をこなしながら、ライターの原稿やフォトグラファーの写真などの上りが遅ければ催促し、予定通りに印刷所やWebへの入稿を行うまでがゴールです。こうした「管理能力」あるいは「マネジメント力」が、2つ目のポイントです。

3.コミュニケーション能力

ほとんどの工程を自分一人で進めることのできるライターと異なり、編集者はほぼすべての工程において人と関わる必要があります。そのため、ライター、フォトグラファー、校正士、デザイナー、印刷所、Web担当者など、様々な職種や立場の人と同時にうまくコミュニケーションをとり、調整する能力が必須です。

企画立案前に、テーマにそった取材対象者やライター、デザイナーなどを探してキャスティングするのも編集者の仕事です。常に人と関り、人と協力して仕事を進められることが、編集者として働くために必要な3つ目のポイントです。

「企画力」「管理能力」「コミュニケーション能力」この3つのポイントを磨けば、編集者として大活躍することは夢ではありません。まずは自分の「苦手」な部分を知り、鍛えることから始めてみましょう。

 

著者プロフィール

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陽菜ひよ子(ひなひよこ)
名古屋在住のイラストレーター&漫画家&ライター。
テレビ番組や書籍、新聞社媒体、広報誌、Webなどのイラストやコラムを手掛ける。
商業出版で既刊3冊。得意分野は「インタビュー」「地域ネタ(名古屋・東海地方)」「建築・庭づくり」。
強みは「インタビュー+イラスト」でより魅力を伝えること。ネコと鳥とプリンが好き。

 

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