
CAREER
長続きするライターになろう!
最初に言っておきますが、ライターになるのは簡単です。媒体も多様化している今、「お金をもらってものを書く」経験のハードルはぐっと下がっています。しかし、ライターの名刺を刷ったものの、5年仕事を継続し、それで食べていくことは容易ではありません。書くことが好きで、一生これで生活したいと思ったら、どんな心構えが必要なのでしょうか。
1.ライターに求められるのは確実性と独自性
「決められた仕事を相手の期待通りのクオリティで決められた期間に必ず仕上げる」、あるいは「他の人では考えつかない企画や切り口を思いついたり、思わぬところにコネや人脈がある」、この2点のうちどちらかに特化した実力があれば、おそらくライターとしてやっていけます。両方があれば、売れっ子になれます。
2.こんなライターは論外!
ライターとしての実力、信用は数をこなすことによって自分で証明していくしかありませんが、たまに一発退場になるライターもいます。締切遅れ、間違い、コピペなど、まさかそんな初歩的なミスを犯すはずがないというような凡ミスをする人も残念ながら少なくありません。
・コピペは厳禁
特に、コピペは必ず自分の首を締めます。今は便利なコピペチェッカーがあるので、出版、web問わずまず書いたものは全てコピペチェッカーにかけられると思ったほうがいいでしょう。コピペが発覚した段階でそのライターには二度と仕事を出さないところも多いです。やってはいけないとわかっていることをあえてするということは、その人間のモラリティが低いか、仕事を適当に流すだらしのない性格だということですからね。
一発退場、出入り禁止になりたくなければ、コピペは厳禁です。
・情報の正誤を見定める
じゃあ、文章を手直しして変えたらばれないからいいんじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが、これもとても危険なことです。特にwebの情報は正しいとは限らないということを肝に銘じていなければいけません。
間違った情報をライター自身がうのみにし、そのまま出版、公開されて大問題になった例は枚挙に暇がありませんし、運良く大騒動にならなかったとしてもライターの信用はガタ落ちです。もしwebで情報をみつけたら必ず一次情報まで当たるなど、「裏取り」と言われる作業がうまいことも大切な技量です。これもいくつかのツボがあり、しっかりとした新聞社や出版社出身であれば先輩からいやというほど叩き込まれますが、そういったバックグラウンドがない、いわば無手勝流でライターになった人は、その技術を自力で学ばなくてはいけません。
3.人脈はライターの命綱
取材にしても、企画にしても、リアルな人脈ほど強いものはありません。フリーランスのライターならば、人と出会える場所に足を運んで積極的に様々な人と知り合いましょう。
・アンテナが高いライターに仕事は集中する
職業ライターになれば、あらゆる角度から取材をすることになりますし、問題の当事者や内部に通じている人にアクセスできれば、それは大きな武器になります。普通に取材申し込みをしても断られるような人が「友だちだから答えてやるか」となれば、特ダネの可能性すら出てきます。
「あの人は不思議なところに情報源があるね」という評判はなぜか広まっていくものなので、認められると自然に仕事は舞い込んでくるようになります。
・人と出会うチャンスは多い
ジム、習い事、地域サークルなど人と出会うことができるチャンスはいくらでも見つけられますよね。どうせなら外国語サークルなどに入って自分のスキルを磨くのも一石二鳥です。取材中に英語の情報が出てくるかもしれません。
もし英語がわからなければ、翻訳者が誤訳していたとしても確かめようがありませんが、英語が理解できれば、自分で一次情報に当たることが可能になります。
4.入った仕事を次につなげるには?
どんな仕事でも必ず終わる時はきます。その時「この人にまたお願いしたいな」と思われなければ続けることはできません。
・クライアントに安心感を与える
クライアントは作業中に連絡がないライターは「ちゃんとやっているのか?」と不安になるものです。なかには締切ギリギリまで引っ張ったあげくに「やっぱり無理でした」と投げ出す人もいますからね。そうなると代わりのライター探しにてんてこ舞いですし、当然代わりのライターのギャランティは高くなり、経費が余分にかかることになるので、クライアントにとっては避けたい事態です。だからクライアントは安心できるライターを選ぶのです。
・報告は身を守る
さらに、トラブルがあった時「こんなことがあったらクライアントの印象が悪くなるんじゃないか」と自分で対処しようとして、取材先から直接クライアントにクレームが行くのが一番まずいことです。些細なトラブルだと思っても、一応報告することが、自分の身を守ることになります。
まとめ
ライターは弱い職業です。カメラマンやイラストレーターなどは特殊技能が必要になりますが、文章を書くことはほとんどの人ができるからです。
自分が「取り替えのきく人材なのだ」と意識して、相手に安心感を与えつつ、独自の強みを持っていればライター商売を一生の仕事にできるでしょう。
著者プロフィール

- 岡田もも
- 東京、大阪、ニューヨークを股にかけ、複数のペンネームと共に時には性別すら超越するマルチリンガル系ライター。学生時代からプロライター活動を始め、足掛け30年とちょっと。グルメ、健康、エンタメ、時事問題など、オールマイティーに受けるがモットーで、映画、ドラマ脚本、書籍執筆、雑誌、新聞連載、コント台本、コピーライティングと何でも屋さん。幼稚園児からハリウッドセレブまで過去にインタビューした人数は千人を超える。
