いま、ライターが「ブランドジャーナリズム」に注目すべき理由とは?

いま、ライターが「ブランドジャーナリズム」に注目すべき理由とは?

企業がオウンドメディアを活用し、ブランドジャーナリズムを行うマーケティング手法がトレンドとなりつつあります。

多くのブランド(企業)がコンテンツによる情報発信に注目していることで、必然的にWeb媒体におけるライターの需要も高まってきています。
その一方で伝統的な紙媒体が低迷している傾向を見ると、ライターは伝統的メディアだけでなくブランドジャーナリズムに自分のキャリアを転換していくことが必要なのかもしれません。

今回は、ライターがブランドジャーナリズムに挑戦するメリットをまとめてみます。

締め切りが紙媒体のジャーナリズムほど早くない

ブランドジャーナリズムの編集は、新聞や雑誌といった速報性が求められるメディアよりもゆったりとしたスケジュールで動いていることが多いようです。私の実体験から見ても、締め切りまでに1週間、ときにはそれ以上もあることが普通です。しかし、典型的なジャーナリズム媒体の執筆で1週間も時間をもらえることはめったにないですよね。

伝統的なメディアで書いてきたライターからすれば、締め切りに余裕があるということは、よりじっくり執筆に向き合えるためプラス要素なのではないでしょうか。また、フリーランスやサイドビジネスとしてライターをしている方にとっては、タイトな締め切りではないことにより、多くの案件を1度に進められるというメリットもあります。

もっとも、ブランドジャーナリズムであっても締め切りを破るのは決して許されないというのは言うまでもありません。

新しい業界の知識を得られる

ライターのようにクリエイティブ業界で働く方の多くは、常に新しいものに興味があったり、何かを学んだりしたいという習性がどこかにあるのではないでしょうか。そんな新しい知識を得ることが好きな人にとって、ブランドジャーナリズムはぴったりなプラットフォームだと言えます。

ブランドジャーナリズムの良いところは、今まで知らなかった業界についても書く機会が与えられるところです。そして、企業が確立したいWeb上でのブランディングの方向性に沿ったコンテンツを、企業からの一方的な押し付けの内容にならないよう、ジャーナリズム視点からいかに書いていくかがライターの腕の見せ所です。

たとえば、私は「ECサイトの良いデザイン」について書いたり、「生後2カ月目の赤ちゃんの睡眠時間」について書いたり、「彼氏をゲットする方法」を書いたりと、現在さまざまなトピックを執筆しています。ときには、知識のないトピックについてのコンテンツを依頼されることもあります。その際にリサーチをして、クライアントの見込み顧客に響く記事を書くことにより、新しい知識を得るだけでなく自分のライティングスキルも向上できるのです。

企業のブランド構築に貢献できる

企業がオウンドメディアを新規に立ち上げるトレンドが続いているため、運営を開始する前の段階でライターが募集されることも増えています。この場合、既存のメディアに執筆するのとは違い、自分の書くコンテンツによって企業のオウンドメディアを築き上げる手助けをすることができます。

企業はコンテンツライターを信頼し、オウンドメディアによるブランディングを、ライターが書くコンテンツに託します。その責任感が、ライターにとっては「もっと読まれる質の高いコンテンツ」を書くやる気の原動力となるのです。「ブランド構築の責任」は、伝統的なメディアでは感じることがあまりできない、ブランドジャーナリズムならではの特権だと言えます。

ブランドジャーナリズムのライター募集は今後右肩上がりに

多くの企業がブランドジャーナリズムへ興味を持ち、オウンドメディアを軸にしたマーケティング手段を模索しつつあります。紙媒体からWebメディアへ仕事の幅を広げたいフリーライターの方にとって、新しいチャンスが増加している時代だといえます。

もちろん、紙媒体出身のライターがWeb媒体の記事を書く際に気を付ける点は多くあります。ですが、「ブランドジャーナリズム」と呼ばれるからには、紙媒体で養ってきた「ジャーナリスト」としてのスキルは必ず応用できます。

なぜならば、ブランドジャーナリズムでも、伝統的なジャーナリズムと同様、「良いストーリーを見つけ、リサーチし、レポートする」ということが一番求められていることだからです。


参考:

 

著者プロフィール

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Story by A
ニューヨークを拠点とする異文化ジャーナリスト。メインは旅行や異文化交流、他にもデジタルマーケティング、美容、ライフスタイル、恋愛、子育てなど多岐に渡って執筆中。座右の銘は「今を生きろ」。世界5大陸全てに友達を持つことが自慢。世界各国にいる友達を少しずつ訪ね歩く記録を綴ったブログStorybya.comが近日公開予定。

 

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