2018年には1,820億円規模の市場に!?クラウドソーシングの歴史とこれからについて考える

インターネット時代の新しい働き方のひとつとして注目を集めるクラウドソーシング。この記事を読んでいる方のなかには、実際に仕事探しの場として活用したり、発注者として仕事を依頼したりしている人も多いのではないでしょうか?
最近では業務の委託先としてクラウドソーシングを活用する企業も増えてきたため、フリーランスで働く人だけでなく、一般的にも広く認知されるようになってきました。

今回は、フリーランスのお仕事と密接に関わってくる、このクラウドソーシングについて考えてみましょう。

日本では2008年から!クラウドソーシングの歴史を知ろう

クラウドソーシングとは、群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わせた言葉。2005年にWIRED Magazineの編集者によって生み出された造語と言われています。

これまでは業務を外部委託するというと、専門的なスキルを持った特定の個人に依頼するアウトソーシング(outsourcing)が一般的でしたが、インターネットの普及により、不特定多数の人々(群衆)に依頼することが可能になりました。こうした背景もあり、新しい業務委託のカタチとして生まれたのがクラウドソーシングです。

日本では2008年に始めてクラウドソーシングサービスを事業展開する業者が登場。ロゴやウェブサイトなどのデザイン、ライティング、プログラミングなどさまざまな業務を依頼する企業と、それを請け負うフリーランサーを結びつけるサービスを開始しました。
また、最近ではそれに追随する業者だけでなく、デザイン系、イラスト・アニメーション系など専門分野に特化したクラウドソーシング業者も登場してきています。

全世界で浸透!2018年には1兆円規模の市場に!?

意識の上ではなんとなく一般的になってきた感のあるクラウドソーシング。実際のところ、その規模はどのようなものなのでしょうか?

日経新聞社によると、全世界での市場規模は2013年の段階で約2000億円。さらに、2018年には1兆円規模にものぼるとされています。
日本でもその成長は目覚ましいものがあります。矢野経済研究所の調べによると、2016年度の予測規模は約950億円、2年後の2018年度には倍の1820億円にものぼるとか。同研究所では、将来的には正社員比率が減り、その仕事をまかなうものとしてクラウドワーキングが増えていくとの予測を発表しています。

クラウドワーキングは、これからどうなっていくの?

利用者数も市場規模も順調に成長しているクラウドソーシングサービス。フリーランスで仕事を請け負う私たちにとっても興味深い、今後の変化について考えてみましょう。

海外ワーカーの流入により競争が激化する

今後の変化として真っ先に考えられるのは、やはり海外からのフリーランサーの流入でしょう。

海外の主なクラウドソーシングサービスでは、仕事を受注するのは必ずしも自国のワーカーだけではなく、インドや東南アジアなど他国のワーカーであるケースも珍しくありません。特にアメリカなどサイトが英語で運用されている場合、その傾向はさらに顕著になります。
こうした国々は人件費も安く、発注者にとっては安い金額でも仕事を受けてくれるというメリットがあるもの。日本でも、プログラミングやデザインなど、言語の障壁が少ない分野を中心に、この流れが加速することは十分に予想できます。

こうした競争が激化した状況のなかで仕事を受注していくためには、単純に仕事ができるだけでなく、付加価値が必要とされます。その例としては「ウェブデザインとマーケティングをワンストップで受注できる」「特定の分野に特化した実績がある」などが考えられるでしょう。
これを、ピンチととるか、自分の仕事の幅を広げるチャンスととらえるかはあなた次第。これまでの経験やスキルを棚卸しして、自分ができることを考えてみるといいかもしれません。

自分のスキルを可視化する努力が必要に

自分の持っているスキルをわかりやすく可視化することも求められるでしょう。すでにクラウドソーシングサービスを利用されている方はお気付きのことと思いますが、登録されている仕事は1件数百円程度の小さなものから、数十万円規模のものまでさまざまです。

一概に受注金額だけでは仕事内容を測れない部分もありますが、数百円規模の小さな仕事は誰でもできるような難易度の低いものであるケースがほとんど。クラウドソーシングが一般化し、スキマ時間を活用したい主婦層などさまざまなワーカーが増えていく今後は、この仕事の二極化がさらに加速していくことが予想されます。

もちろん、数百円規模の小さな仕事ばかりで生計を立てるのが難しいことは言うまでもありません。ある程度金額の高い案件を受注するには、自分の持っているスキルをわかりやすく可視化し、質の高い仕事ができることをアピールしていく必要があります。

これまで、ライティングやデザインなどのクリエイティブ分野のスキルは「できた物を見ればわかる」という風潮が少なからずありました。しかし、それはあくまで制作物の善し悪しを判断できるディレクターや編集者が間に立ってこその話。クラウドソーシングで仕事を続けていくためには、自分のスキルがどのくらいの価値があるものなのかを、わかりやすく可視化する努力が必要になるでしょう。

クラウドソーシングが仕事のあり方を変える

今後は時間や場所に縛られずに働く人が増えることもあり、ますます普及が予想されるクラウドソーシング。フリーランスで働く私たちの仕事のあり方を大きく変える可能性もあるだけに、日頃からその動きには注目しておきたいところです。


参考:

 

著者プロフィール

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鈴木圭
イタリア・ミラノ在住。広告プロダクション、出版社などを経てフリーライターに。Webマーケティングや広告デザインのほか、海外旅行やイタリア関連のコンテンツへ記事を書いている。イタリア、ヨーロッパならではの自由で面白いマーケティング事例を目にすると、ついつい楽しくなってしまう。趣味はキリム集めと、旅行先の市場でへんな食べ物を探すこと。

 

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