「先に言ってよ....(泣)」原稿直しを減らすには編集者とのコミュニケーションが大事

前回は、書籍と雑誌という紙メディアを例に編集者の役割を見てみました。今回は、Webメディアを念頭に、編集者とのつきあい方を考えてみます。

SNSやSEOの知識を求められるWebの編集者

Webメディアの編集者は、多くの場合は書籍より雑誌タイプの役割をベースにしつつ、SNSとの連携やSEO対策など、Webならではの拡散にも知恵を絞ることになります。紙メディアであれば営業スタッフが担っていることを、Webメディアでは編集者が兼務しているとも言えます。

いずれにしても、書き手にとっての編集者とは、どんなことを誰に向け、どんなトーンで伝えるのかなど、執筆におけるあらゆる羅針盤となってくれる存在です。編集者次第で、ライターの実力以上のポテンシャルが引き出されることもあれば、想定内のクオリティに収まってしまうこともあります。コンテンツづくりにおける編集者とは、それほど重要な役割を担っているのです。

紙メディアの編集者を想定していると困ることも

ところが、近ごろ急増しているWebメディアの場合、少し様相が異なります。ライターが原稿の受け渡しをする担当者は当然いますが、紙メディアでいうところの編集者の役割を期待すると、あれ? と思うことも少なくありません。

私の経験では、指示や依頼が非常に緩やかで、自由に書いていいのかと思いきや、納品してから初めて具体的な注文がつくこともありました。インターネット事業者がコンテンツビジネスに乗り出そうとメディアをつくる場合など、「編集者」の役割に対する認識が紙メディアとはまったく異なると思っておいたほうがよさそうです。

うまく付き合うにはライターの「聞き出す力」が鍵

ライターとしては、とくに初めて仕事をするメディアでは、担当者がどういう役割を担っているのか、よく見極める必要があります。読者に喜ばれる原稿を書くために、依頼されている原稿のねらい(読者にどういう行動を起こさせたいのか、など)を、必ず先に確認するべきです。ライターから聞くまでもなく、こうしたことを依頼時に伝えてくれる編集者ならいいのですが、そうでない場合はライターから細かく聞いてみることです。

どんな原稿が求められているか、という初期設定がずれていては、せっかく時間をかけて書いても的はずれな原稿になってしまい、書き直しをする羽目になりかねません。完成度を高めるための修正ならいいのですが、「それは先に言ってほしかったなー」とボヤきたくなるような状況での書き直しほど、ライターにとって虚しい作業はありませんね。

でも、仮にそんなことになったとしても、相手を悪く思うのは筋違い。確認しなかった自分が悪いのです。読者に喜ばれる原稿を書くために、書き手と読者をつなぐ編集者との意思疎通をしっかり図ること。これがライターとしての心構えの第一歩です。

photo by vancouverfilmschool

 

著者プロフィール

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小島和子
フリーランスで編集・執筆・出版プロデュースを手がける。NPO法人企画のたまご屋さん共同代表。最初に勤めた出版社では、語学書や旅行記など、異文化にまつわる書籍の編集を担当。環境をテーマにした本づくりをきっかけにキャリアチェンジし、政府系機関やNGOで環境問題に関する情報発信に携わるなど、出版業界以外の経験も豊富。近ごろは東北復興の取材で現地に足を運ぶ機会も。分担執筆した著書に『つながるいのち―生物多様性からのメッセージ』がある。
NPO法人企画のたまご屋さん:http://tamagoyasan.net

 

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